店舗・サロン / スタッフ向けQ&Aチャットボット
就業規則の質問に、AIが代わりに答える。
神奈川県で美容サロンを経営するRさんが、Codex(コーデックス)で就業規則を読み込ませたスタッフ向けQ&Aチャットボット「スタッフ相談室」を作るまで。2026年9月16日の個別コンサルで、買ったばかりのMacから約3時間。雇用区分ごとに答え、根拠の条文が出て、分からないことは分からないと言う設計を、AIに操作させて確認した画面とともに紹介します。
Rさん受講生の実務への取り組み
AIの学校「AI Crew」を運営しているみやっち🧑💻です。この記事は、神奈川県で美容サロンを3店舗経営する方が、就業規則を読み込ませたスタッフ向けQ&Aチャットボットを、買ったばかりのMacから約3時間で動くところまで作った受講生、Rさんの実録です。
ご本人の希望で、お名前はイニシャル、お店の名前と所在地は伏せて掲載しています。
Rさんの実績: Rさんは、神奈川県でトータルビューティサロン(まつ毛エクステ・眉毛・ネイル・脱毛・エステ。無料保育付き)の2店舗と、2026年7月に開いたメンズ専門の眉毛サロンを経営しています。2025年10月にAI Crewへ入会し、2026年9月16日の個別コンサルでCodex(コーデックス)を使い、有給や慶弔などお休みの質問に、就業規則を根拠にして答えるスタッフ向けチャットボット「スタッフ相談室」を完成させました。あわせて、社内連絡に使うLINE WORKSのAPI接続、毎朝の業務指示、ブログ・SNS・広告の仕組みづくりまで、計6本の作業を同時に走らせ始めています。
この記事は、2026年9月16日の個別コンサル(約3時間)をもとに構成しています。発言は読みやすさのために整えています。掲載している画面は、ご本人の許可を得たうえで、みやっち🧑💻がAI(Claude)にチャットボットを操作させて撮影したもので、就業規則の本文にあたる箇所と、店名・お名前が写っている箇所は加工しています。なお、ここで紹介する成果はご本人の実績であり、同様の成果を保証するものではありません。
前回は、パソコンが動かなかった
Rさんとの個別コンサルは、これが2回目です。1回目は2026年9月7日。就業規則のチャットボットを作ろうと決めてCodexを入れたところで、当時のWindowsパソコンでは動かず、環境構築は途中で終わりました。
そこでRさんはMacを買いました。人生で初めてのMacです。9月16日の再実施は、その「買ってからほとんど触っていないMac」で始まりました。
最初の15分は、AIの話ではありません。Zoomの画面共有の権限を出す、Finderでフォルダを作る、アプリを切り替える。アプリの切り替えはマウスではなくCommandキーとTabキー、コピーと貼り付けはCommandキーとCキーとVキー。ひとつずつ、口で伝えながら進めました。
みやっち🧑💻は途中で、はっきりこう伝えています。
正直に言うと、AI以前のパソコン操作で損しちゃっているので、そこはめちゃくちゃ頑張った方がいいです。(みやっち🧑💻)
AI Crewの受講生のほぼ全員が非エンジニアで、詰まりの多くはCodexやClaude Codeの前、パソコンの操作にあります。Rさんはその典型でした。そして、その状態から約3時間で、動くものができました。
最初にやったのは、会社のことを全部話すこと
Macの準備ができたら、Codexに向かって最初にやったのは、指示ではなく説明です。
音声入力で、同じ県内に店舗が2つあること、まつ毛エクステやネイルなど提供しているメニュー、各店舗のスタッフの人数、主なお客さまの層、朝の業務にブログ更新やInstagram更新や開店準備があること。Rさんが自分の言葉で、ひととおり話しました。
自分が知ってることと、相手が知ってることの差分を減らすんですよ。前回僕と話したような内容を全部言う感覚でやるといいです。(みやっち🧑💻)
そのうえで、Googleドライブにあった就業規則のファイルをダウンロードして、Codexに添付しました。「これがうちの就業規則です」。それだけです。
もうひとつ、ここで伝えた大事な型があります。仕事ごとにチャットを分けて、同時に走らせる。就業規則のチャットボット、LINE WORKSの業務指示、集客。別々の仕事は別々のチャットに任せて、並べて進めます。
自分の部下を無限に増やせるみたいな感覚があるので、一人の人に「これが終わったらこれ」と言ったら時間がかかっちゃうじゃないですか。やりたい仕事を全部並列でチャットでばーっとやるんです。(みやっち🧑💻)
LINE WORKSを、Codexが自分でつないだ
Rさんのサロンでは、スタッフへの連絡にLINE WORKSを使っています。毎朝の業務指示を自動で送りたい、という要望もここから出ました。
やったことは単純です。ChromeでLINE WORKSの管理者としてログインした状態を作り、Codexに「Chromeでログインしているので、APIを繋いでください」と伝える。するとCodexは、そのログイン済みのChromeを操作してLINE WORKSの開発者向け画面(Developer Console)を開き、API連携のためのアプリを作っていきました。Rさんがやったのは、Codexが自分では押さないAPI利用規約への同意ボタンを押すことだけです。
今、AIがブラウザ操作してAPIを作ってくれているってことですね。(みやっち🧑💻)
Rさんは「ああ、本当だ。すごい」と画面を見ていました。オレンジ色の表示が動き続ける画面を見て、「オレンジになっているのは全部動いているということですか」と聞きながら。
この接続が、あとで効いてきます。Codexが就業規則を読んで、「ここは規則に書かれていない」という点をいくつか質問してきたときです。就業規則はRさんが社労士と一緒に作ったもので、細かい点はその場では分かりません。みやっち🧑💻が「社労士とはLINE WORKSで繋がっているのだから、そこで確認すればいい」と勧めると、Rさんはそこに「まずトーク履歴に回答がないか確認して反映する」を自分で足して指示しました。回答がなければ社労士に確認してほしい、と。
今の発想はめちゃくちゃいいですね。いろんな情報が散らばっているんだけど、LINE WORKSをAPIで繋いだので、Codexがその情報を取れるようになったんですよ。これがめちゃくちゃ大事なポイントです。(みやっち🧑💻)
できあがった「スタッフ相談室」
コンサルの後半、チャットボットができあがりました。名前は「スタッフ相談室」。会社のロゴが入った、落ち着いた紺色の画面です(この記事では、ロゴと店名・お名前が写っている部分を伏せています)。
左の列で、まず自分の雇用区分を選びます。正社員、準社員、短時間正社員、パートタイマー、契約社員、そして「わからない」。休暇のルールは雇用区分で変わるので、最初にここを聞く作りです。その下には「回答のもとになる資料」として、就業規則の改定版と、社労士に確認済みの回答が明示されています。
右の列には、Rさんからスタッフへの案内文があります。有給や慶弔などのお休みについて、Rさんに代わってAIが回答する相談室です、という一文です。テーマのカードは、有給休暇、慶弔休暇、申請のしかた、確認中のこと。入力欄の例文は「祖母が亡くなった場合、何日休めますか?」です。
雇用区分を「正社員」にして、AIにこう聞かせてみました。「先週入社したばかりの正社員です。有給休暇はいつから、何日もらえますか?」
数秒で「資料に基づくご案内」というラベルの付いた回答が返ってきました。入社から6か月経過した時点で年次有給休暇が付与されること、正社員なら最初は10日であること、出勤率の要件があること。そして最後に、予定があるなら早めにRさんか所属長に伝えてほしい、と添えてあります。
回答の下の「根拠を確認する」を開くと、就業規則の該当する条文が、改定版の日付とともに表示されます。
AIが答えを言い切って終わりではなく、どの条文を根拠にしたかを本人が確かめられる。労務の質問に答えるものとして、ここは外せない作りです。
AIに操作させて確かめた中で、もうひとつ注目したい返し方がありました。就業規則に明記されていないことを聞いたときの返し方です。ラベルが「担当者への確認が必要」に変わり、規則の本文だけでは明確でないことを正直に伝えたうえで、Rさんか人事に確認してほしい、と案内しました。その下には「所属長への相談文をコピー」というボタンがあり、コピーした文面をLINE WORKSなどで送るよう促します。自動では送りません。
分からないことは分からないと言い、人に戻す。 就業規則の外側にある判断を、AIが勝手に埋めない設計になっています。
スマホで開いたときの見え方も確認しました。Codexの画面でプレビューの表示幅を狭めると、サイト側がスマホ幅のレイアウトに切り替わるので、それで確かめられます。Rさんは、その場でこの確かめ方も教わりました。
就業規則をスタッフの各自のAIへ渡す場合、改定後の入れ替えをどう揃えるかが課題になります。共通の相談窓口と資料配布の使い分けは、GPTs配布型とナレッジ配布型の比較で、この事例も交えて整理しています。
速すぎる回答は、AIが答えていなかった
実は、このチャットボットは一度できあがったあとに、大事な作り直しをしています。
最初にできた版は、質問を送ると一瞬で答えが返ってきました。みやっち🧑💻はそれを見て、「速すぎる」と感じました。Codexに聞いてみると、案の定です。就業規則の中から該当しそうな箇所を返しているだけで、AIの推論は入っていませんでした。
AIと繋いだ方が、当然いい回答ができるんですよ。今は機械的に返しているだけなので、「週3日のパートなんですけど」のように質問が緩かったら答えられない。(みやっち🧑💻)
対処は、RさんがCodexに「OpenAIのAPIキーを入れてください」と頼むことでした。Codexとのやり取りの中で、OpenAIのAPI用のアカウントにAPIキーが発行される流れになり、みやっち🧑💻もこの流れは初めて見たそうです。RさんはAPIの利用料として前払いのクレジットを少額だけ購入し、自動チャージはオフにしました。Codexがそのキーをチャットボットに設定し、回答をAIが生成する形に切り替わりました。
切り替えた後の画面には「資料を参照して回答を考えています」という表示が出るようになり、質問によっては雇用区分や「週の稼働時間はどのくらいですか」と、前提を聞き返してくるようになりました。前提が変われば答えが変わる。労務の質問はそういうものなので、ここはAIでなければできない部分です。
最後に、口調を整えました。RさんがCodexに伝えたのは3つです。「社内のスタッフに出すので、私の代わりに回答する形にして」「女性スタッフが100パーセントなので、女性に話しかけるように」、そして自分の名前を伝えること。回答は「早めに所属長に相談してくださいね」のような、Rさんの言葉に近い柔らかさになりました。
出力を見て直す、ということはすごく大事です。硬いなら柔らかく、デザインを可愛くしたいならそれもできる。(みやっち🧑💻)
「目的を言う。どうやるかは言わない」
このコンサルで、みやっち🧑💻が一番時間をかけて伝えたのは、チャットボットの作り方ではなく、AIへの頼み方でした。
集客の話になったとき、Rさんから要望が4つ出ました。検索で上位に出したい。ブログのタイトルを自動で出して、スタッフに「今日はこのタイトルで書いて」と指示したい。SNSの投稿内容も指示したい。Meta広告で予約を増やしたい。
このうち、ブログのタイトルをスタッフに指示する話は、みやっち🧑💻がその場で止めました。
大きな目的レベルの話をしているのが1つ目で、2つ目は今のオペレーションに合わせて必要なことを言ったんですよ。ここがズレを生むポイントなんです。AIでブログを書くのをスタッフにやらせるのはありえなくて、自分でCodexをやったらいくらでも書けるんです。(みやっち🧑💻)
今のやり方を前提にして頼むと、今のやり方に最適化されたものができてしまう。みやっち🧑💻はそれを「縄文時代に最適化されたオペレーション」と呼びました。車も道具もある時代に、槍で象を倒す手順を作ってもらっても仕方がありません。
Rさんは「すごくイマジネーションが必要だと思うけれど、私にはそこが欠けている気がする」と返しました。みやっち🧑💻の答えは、逆でした。
どうやってやるのかを考える必要はないって言っているんです。「SEOで集客したい」と言えればいい。そこにイマジネーションも何もないじゃないですか。(みやっち🧑💻)
別の場面でも、みやっち🧑💻は同じことを言っています。
どうやってやるかを指定すればするほど、AIはバカになっていくんです。AIの方が賢いから、人間が「どうやってやるか」を言っちゃいけない。(みやっち🧑💻)
ブログについては、こう整理しました。記事はAIが書く。スタッフには書かせない。代わりに、お客さまのビフォーアフターのような一次情報の素材だけをスタッフから集める。スタッフの手間を減らして、集客の仕組みは経営者が持つ形です。
「これは経営者がやる仕事ですか」
コンサルの終わりに感想を聞くと、Rさんはこう答えました。
自分の頭を変えていかなきゃいけないんだなって、再認識しました。いろんな可能性があって、やりたいことがいっぱいあります。(Rさん)
そのうえで、質問がありました。
これって、経営者がやる仕事なのかどうか、そもそも思っていまして。自分でやることですごく時間がかかるじゃないですか。でも、先のために構築していった方がいいのか。(Rさん)
みやっち🧑💻の答えは、はっきりしています。
経営者がやらないと意味がないです。AIで全部できるので、人材採用や配置など、人事権の話になっていく。会社自体を組み替えていく、戦略レベルの話なんです。担当者を付けると、権限がどうとか、ここまで変えていいのか分からないとか、進まないんですよ。(みやっち🧑💻)
経営者は、実務のところは減らしていくべきなんです。集客とか予約とかスタッフ管理とか、仕組み作りのところに時間を使うのが経営者の仕事なので。(みやっち🧑💻)
Rさんは「正解ですね。よかったです、それ聞けて」と答え、最後に「もっと触ります」と言って、コンサルを終えました。
3時間で走り出した、6本の仕事
このコンサルで動き始めたのは、チャットボットだけではありません。並べて走らせたCodexのチャットは、終わってみれば6本ありました。
- 就業規則のスタッフ向けQ&Aチャットボット。完成し、ChatGPT Sitesで公開してURLで共有できる状態
- LINE WORKSで毎朝の業務指示を自動配信する仕組み。API接続まで完了
- ブログとSEO。店舗ごとの検索キーワードを洗い出し、AIが記事を書き、スタッフからは素材だけを集める形へ。古くなった自社サイトの作り替えも、この延長で進める
- InstagramとFacebookの連動。できていなかった両店舗の連携を依頼
- Meta広告。3店舗で出稿する準備
- 予約の流入経路の計測。どの投稿・どの広告・どの記事から予約が来たかを見えるようにする。「計測できないもので回したら意味がない」がみやっち🧑💻の考えです
自社サイトの作り替えと、予約の受け方そのものを見直す話は、規模が大きいのでMacに慣れてからでいいと伝えました。それ以外は、進めれば形になるものです。次はAI Crewの全体ライブの公開コンサルで、この6本がどこまで進んだかを聞くことになっています。
この実例が効くのは、どんな人か
Rさんの実例は、次のような立場の方にそのまま当てはまります。
- 美容室・サロン・クリニックなど、スタッフを雇っている実店舗の経営者の方。有給や慶弔の質問が都度自分に来て、そのたびに就業規則を見返したり社労士に聞いたりしている
- パソコンが苦手で、「AI以前に操作で止まる」と自覚している方。Rさんは初めてのMacで、画面共有の権限を出すところから始めています
- これは自分がやる仕事なのか、と迷っている経営者の方。人事と戦略に触れる仕事だからこそ、経営者が自分の手で動かす価値があります
Rさんが特別だったのは、技術ではありません。会社のことを全部話し、目的だけを伝え、出てきたものを見て直したことです。
AI Crewの講座はClaude Code・Codexの両方に対応しており、受講生は経営者・個人事業主・士業・会社員まで、ほぼ全員が非エンジニアです。同じように自分の事業を作り変えた実例は行政書士の太田さんの実録、たこやんさんの実録、Claude Codeの受講生実績6選に、講座そのものの説明はAI Crewとはにまとめています。
自分の会社の困りごとが、動く仕組みに変わる姿を具体的に見てみたい方は、まず無料セミナーでお会いしましょう。
自分の頭を変えていかなきゃいけないんだなって、再認識しました
受講生が共有し、AI Crewで紹介している実践をまとめています。
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