経営支援 / スライド生成ボット
壁打ちした論点を、経営層向けのスライドに。
スタートアップから上場企業までのコーポレート体制構築を支援する株式会社Backcraft代表の渡邊祐也さんが、自分のDiscordサーバーに置いたAIのボットと壁打ちし、「OK」の1分後にスライドを受け取る仕組みを、顧問先への提案づくりに使っている実録。2026年9月16日の個別コンサルで見せていただいた画面と、顧客のデータをAIに入れてよいかを契約で決める話を紹介します。
渡邊さん受講生の実務への取り組み
AIの学校「AI Crew」を運営しているみやっち🧑💻です。この記事は、スタートアップから上場企業までのバックオフィス(コーポレート)体制づくりを支援するコンサルタントが、自分のDiscordサーバーに置いたAIのボットと壁打ちして、経営層向けのスライドを作っている受講生、渡邊祐也さんの実録です。派手なアプリの話ではありません。コンサルタントの納品物であるスライドが、質問に答えていくだけで形になる。その仕組みを、実際の画面とともに紹介します。
渡邊祐也さんの実績: 渡邊祐也さんは、株式会社Backcraftの代表です。証券会社の営業からバックオフィスの職種に転じ、上場企業の管理担当取締役やスタートアップのCFOを経て、2024年に独立しました。現在は、スタートアップから上場企業まで複数の企業に入り、コーポレート体制の構築、採用・人材育成、資金調達などを現場で支援しています。2026年3月にAI Crewへ入会し、翌月にはClaude Code(クロードコード)の設定をDiscordなどとつなぐところまで進め、Discordで壁打ちした内容からスライドを生成するボットを、顧問先への提案づくりに使っています。
この記事は、2026年9月16日の個別コンサル(約33分)の録画、渡邊さんのパソコン画面をZoom越しに記録したスクリーンショット、相談のあとに渡邊さんから送っていただいたスライドをもとに構成しています。発言は読みやすさのために整えています。掲載している画面は、ご本人の許可を得たうえで、顧客の情報が入っていないものだけを載せています。なお、ここで紹介する成果はご本人の実績であり、同様の成果を保証するものではありません。
コンサルタントの納品物は、スライドだった
渡邊さんの仕事は、数字と組織の両方にまたがります。事業計画のような数字を作って出す仕事と、組織の課題に関する相談の両方があり、数字はスプレッドシートに、組織の相談はスライドに落ちていきます。
自分は、もうひたすらスライドを作っていますね。(渡邊さん)
経営ミーティングのたびにアジェンダを作り、論点を整理し、スライドに落とす。それを毎回、手で作っています。複数社の実務を、業務委託にほとんど頼らず自分で回しているので、ツールを開いて学ぶ時間は多くありません。この日の後半で見せてもらったのが、この記事の主役です。Claude Codeの画面を開いていなくても、Discordから使える形で動いていました。
Discordで壁打ちして、「OK」と打つ
渡邊さんは、自分専用のDiscordサーバーを持っています。そこに「スライド作成」というチャンネルがあり、AIのボット(画面上の名前は claudeagent)が置いてあります。
使い方は、作りたいスライドの話をするだけです。ボットが質問を返し、渡邊さんが答える。それを繰り返すと、ボットがスライドの構成案を書いてきます。
構成案の最後に、ボットはこう聞いてきます。「この内容でスライドを生成してよいですか?(OKで生成/修正があれば送ってください)」。渡邊さんの返事は、「OK」の2文字でした。
チャンネルに残っていた8月30日のやり取りでは、「OK」が16時19分、「HTMLスライドが完成しました!」が16時20分です。生成されたHTMLのスライドはGoogle Driveにアップロードされ、そのリンクがチャンネルに返ってきます。続けてボットが「Googleスライドにも出力しますか?」と聞き、「はい」と返すとGoogleスライドの形式でも作ってくれます。
そこでやり取りすると作ってくれる、と渡邊さんは言います。資料を作らせてから対話で磨く進め方は、Claude Codeでの資料作成の3ステップでも紹介しています。
スライドを作って、まずHTMLを作って、「Googleスライドにしますか?」と聞かれて、「はい」と言うとGoogleスライドも作ってくれる、という感じですね。(渡邊さん)
できたスライド
相談のあとに渡邊さんから送ってもらった、ボットがGoogleスライドとして出力したたたき台です。全部で5枚。「現状認識・出発点」「ミッションステートメント」「中長期ロードマップ/目指す姿」「戦略・推進方針」「まとめ・Next Action」の順に並んでいます。
見てのとおり、どの1枚も「項目は黒、内容は白」の同じ型です。デザインには、渡邊さんのこだわりがあります。
普通にスライドを作ってもらうと、カラフルじゃないですか。自分は、項目は黒、内容は白、という風にしています。(渡邊さん)
経営層に見せる資料は、色で目を引く必要がありません。項目を黒、内容を白と決めておくことで、生成されるたびに整え直す手間が減る、というのがみやっち🧑💻の見立てです。
使いどころは「全く新しいこと」
毎回の経営ミーティングのスライドまで、すべてボットに作らせているわけではありません。渡邊さんは、使いどころをはっきり分けていました。
全く新しいことを作るときに使っています。例えば、新しいシステムを入れたいという話が出てきたので、それを社内に説明するためのスライドを作る、というのを質問形式でDiscordでやり取りして、GoogleスライドとHTMLで作る、というのはできています。(渡邊さん)
みやっち🧑💻の見方では、型が決まっている定例の資料は手で作ったほうが早く、型のない、ゼロから論点を立てる資料こそ、壁打ちの相手がいると速い。この線引きは、コンサルタントに限らず、提案資料を作るすべての人に効きます。
みやっち🧑💻から見ると、この仕組みのよさは「Discordで話した内容が、そのまま材料になる」ことです。チャットで話して、別のツールにコピーして、スライドの雛形に流し込む、という往復がありません。話した場所で、できあがります。
顧客のデータを、AIに入れていいのか
ここまでの仕組みは、自分の頭の中にある論点を形にするものです。渡邊さんがこの日、別の場面で口にしたのは、その先の悩みでした。
顧客から預かっている情報なので、それをそのまま自分のアカウントに投げていいのか、というのはだいぶ悩みます。そこが踏み込めていない感じなんです。(渡邊さん)
顧問先の数字を扱う仕事なので、当然の迷いです。みやっち🧑💻の答えは、技術ではなく契約でした。
そこは契約だと思っています。業務委託契約に、もらった資料をAIに入れます、と入れておく。(みやっち🧑💻)
具体的には、次のような形です。
- 契約書に、預かった資料をAIに入れることを明記する。株式会社AI Orchestraが法人の伴走支援をするときも、契約書にAIの利用を明記してから始めています
- 個人のアカウントを使うなら、入力した内容が学習に使われない設定にする
- できれば、Claudeのチームプランのように、入力した内容が既定で学習に使われないプランを契約するか、先方のアカウントを用意してもらう。Codexなら、先方のChatGPTアカウントでサインインして使う(先方が法人向けプランなら、入力内容は既定で学習に使われません)
- 契約の時点で言う。「AIを使わずに仕事をするのはきついです。使う前提ですが、認識は合っていますか」と、最初に確認しておく
契約に書く、という答えを聞いた渡邊さんは、こう言いました。
そこさえできれば。思いっきり使えるのであれば、使いたいことはいっぱいあるので。(渡邊さん)
後から問題が起きないようにするには、始める前に書いておく。みやっち🧑💻が法人の支援で実際にやってきた形なので、そのまま渡しました。
数字は、スプレッドシートからダッシュボードへ
契約の話の前には、数字の話もしていました。渡邊さんは顧問先ごとに事業計画を作りますが、毎回まっさらな状態から組み上げているそうです。
ベースをAIに作らせて、あとは自分がチューニングしていく、という形にしたい。(渡邊さん)
みやっち🧑💻が伝えたのは2つです。1つは、財務会計を正にすること。会計ソフト(freee・マネーフォワードなど)に入っている数字を正として、そこにCodex(コーデックス)をつなぐ。取引に取引先・品目(マネーフォワードなら取引先・補助科目)まで付いていれば、それをそのまま管理会計の切り口として扱えます。
もう1つは、スプレッドシートに閉じないこと。スプレッドシートは自由度が低く、AIの強みである「推論」が活きません。実績と見込みを同じ画面で見られるダッシュボードにすれば、顧客別・サービス別のような切り口も、その場で足していけます。
ただし、ここにはみやっち🧑💻が指摘した構造もあります。稼働時間で報酬を受け取るモデルでは、効率化は自分の時間を減らす方向に働く。それでも作る価値がある、というのがみやっち🧑💻の考えです。作ったものは価値の成長であり、あとから誰でも使える形にすれば、同じ仕事を別の形で提供できるからです。
みやっち🧑💻が受け取ったこと
フル稼働で学ぶ時間が限られている人の手元で、Discordのボットは動いていました。みやっち🧑💻が大事だと思うのは、ツールを毎日開くことではなく、開かなくても使える仕組みが1つでもあることです。話しかければ動く仕組みが残っている状態は、むしろ正しい。
もう1つは、使いどころの線引きです。定例の資料は手で、ゼロから論点を立てる資料はボットと。全部を自動化しようとしない。そのぶん、続いています。
そして、顧客のデータの扱いは、迷ったまま止めるのではなく、契約に書いて始める。それが、この日の結論でした。
この実例が効くのは、どんな人か
- 提案資料・報告資料が納品物になっているコンサルタント・士業・一人社長の方。壁打ちの相手をチャットの中に置くと、論点出しから資料までが一続きになる
- 「毎日AIを触る時間がない」ことを理由に、自分は使えていないと思っている方。ツールを毎日開けなくても、話しかける場所に仕組みを置いておけば、必要なときにすぐ使える
- 顧客のデータをAIに入れていいか迷って、止まっている方。答えは契約書にある。始める前に、使う前提を相手と合わせる
渡邊さんが特別だったのは、ツールの知識ではありません。自分の仕事の納品物が何かを分かっていて、そこにボットを置いたことです。
AI Crewの講座はClaude Code・Codexの両方に対応しており、受講生は経営者・個人事業主・士業・会社員まで、ほぼ全員が非エンジニアです。顧客向けのシステムを自作した実例は行政書士の太田さんの実録に、講座そのものの説明はAI Crewとはにまとめています。
自分の納品物を、話した場所で形にする仕組みを具体的に見てみたい方は、まず無料セミナーでお会いしましょう。
全く新しいことを作るときに使っています
受講生が共有し、AI Crewで紹介している実践をまとめています。
次は、あなたの仕事を。
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