Codex(コーデックス)デスクトップアプリの使い方|ステアよりキュー、割り込みを例外にする3ステップ【2026年7月】
Codexのデスクトップアプリで、動き出したAIに途中で口を出したくなったら、ステアで割り込ませるよりキューに積むほうが意図どおりに進みます。 アプリを入れて最初にぶつかるのは、機能の多さではなく「作業中に思いついたことをどう伝えるか」です。なお、Codexのデスクトップ版は独立したアプリではなく、2026年7月に刷新されたChatGPTデスクトップアプリの「Codexモード」として提供されています。この記事で「Codexデスクトップアプリ」と呼ぶのは、このChatGPTアプリでCodexを使う画面のことです。みやっち🧑💻が実際に触って落ち着いた指示の出し方を、経営者・個人事業主・士業に向けて、番号付きの手順にして整理します。Codexそのものの入口はCodexの始め方にまとめてあるので、この記事はその次の段——始めた人が最初に覚える操作の型です。
Codexで作業中に追加の指示を出す方法: Codexが作業している最中に次のメッセージを送る手段は2つあります。OpenAIの公式ドキュメントによると、Steer(ステア)は今動いている実行にメッセージを足す機能で、方向転換や不足していた情報の追加に使い、Queue(キュー)はメッセージを次の実行のために保存する機能で、いまの作業が終わってからやってほしい依頼に使います。ChatGPTデスクトップアプリでは、どちらを既定にするかを Settings > General > Follow-up behavior で選べます。
ステアとキューは何が違うのか
まず、2つの言葉の定義を公式ドキュメントの表現で押さえます。ここを混同したまま使うと、AIの動きが読めなくなります。
- ステア: 今走っている実行そのものに、メッセージを差し込む。「方向を変える」「抜けていた情報を渡す」ための機能
- キュー: メッセージを次の実行用に保存する。「今の作業が終わってからやってほしいこと」のための機能
キューに積んだメッセージは入力欄の上に並び、編集・並べ替え・送信・削除ができます。つまりキューは送りっぱなしの予約ではなく、あとから中身も順番も直せる作業リストとして扱えます。
触ってみて分かった「後入れ先出し」に見える癖
ここからは、みやっち🧑💻が実際にデスクトップアプリを使って観察したことです。仕様の説明ではありません。
作業中に思いついたことをステアで次々と送っていくと、触ってみた範囲では、後から送った命令のほうを先に処理しているように見える場面がありました。今やっていた作業をいったん脇に置いて、割り込んだ指示のほうへ行ってしまう。結果として「それはちょっと違うんだけどなぁ」という出来上がりになることもありました。
これはOpenAIが公開している実装の説明ではなく、あくまで使っていて受けた印象です。ただ、印象であっても、こちらの意図と違う結果が出るなら運用は変えたほうがいい。そこで指示の出し方を組み替えたのが、次の3ステップです。
割り込みを例外にする3ステップ
みやっち🧑💻が実際に使って落ち着いた切り分け(1と2)に、キューの公式仕様を踏まえた整え方(3)を足した、3つの型です。
- 思いついた指示は、基本すべてキューに積む。 「あとでこれもやってほしい」と浮かんだら、その場でキューへ入れる。積んでおけば頭から出して手放せますし、キューはあとから直せるので、この時点で文言を練り込む必要はありません
- いまやっている作業に対して明らかに必要だと判断したものだけ、「指示を送る」で個別に投げる。 判断基準は「これは明らかに、今やっている作業に対して必要だ」と思えるかどうか、の一点です
- キューに積んだメッセージは、実行される前に並べ替えと編集で整える。 キューは実行前なら編集・並べ替え・削除ができる仕様なので、作業が進んで不要になった依頼はその場で消せます。入力欄の上のリストが、そのままCodexへの作業指示書になります
ポイントは、割り込みを例外運用にするという切り分けです。人に仕事を頼むときも、5分ごとに肩を叩いて追加要望を伝える人より、まとめてメモで渡してくれる人のほうが仕上がりがいい。あの感覚に近いものがあります。
なお、既定の動作はアプリの Settings > General > Follow-up behavior で選べますし、1回だけ反対の動作にするショートカットも同じ設定画面に表示されます。「基本はキュー、必要なときだけステア」という運用は、設定側からも作れます。
並列で走らせるなら、見張りはペットに任せる
セッションを並列で何本も走らせるようになると、効いてくるのがペット機能です。
公式ドキュメントでは、ペットは作業の進行を追いかけるための任意のアニメーションの相棒と説明されていて、デスクトップアプリでは他のアプリのウィンドウの上に浮かせて表示できます。複数のチャットが動いているときは、入力待ちのチャットを最優先に、ブロック中・準備完了・実行中の順で優先して追いかける仕組みです。
正直に言うと、みやっち🧑💻も最初はこの機能の意味を感じていませんでした。用途がはっきりしたのは、セッションを並列で走らせるようになってからです。別のアプリで自分の作業をしている最中でも、各セッションが今どういう状態かをパッと確認できる。1本ずつ順番に回している間は不要ですが、並列前提になった途端に、見張り役として意味を持ちます。AIを複数同時に走らせる感覚そのものは、Claude Codeのサブエージェントの話とも地続きです。
Computer Use中は小窓で「今どこを触っているか」が見える
Codexがアプリやブラウザの画面を直接操作するComputer Useを使うと、もう一段はっきりします。
公式ドキュメントによると、Computer Useがアプリで作業を始めると、ChatGPTが自動でピクチャーインピクチャー(PiP)のプレビューを開きます。小窓はChatGPTのウィンドウ内で動かせて、クリックすると操作中のアプリが開く。複数のアプリやブラウザウィンドウを使うタスクでは、プレビューが重なって表示され、切り替えて見られます。macOSでは、この小窓を起きているペットに送って、ChatGPTのウィンドウの外でタスクを見張ることもできます。
みやっち🧑💻自身はAIの手元をずっと見ているタイプではないのですが、AIが今どこを触っているのかが気になる人には、この小窓が安心材料になります。画面操作を任せる怖さは、たいてい「見えないこと」から来ているからです。Computer Useそのものの仕組みはComputer Useとはで解説しています。
「思いついたら即・割り込み」から「積んで任せる」へ
ここまでの3ステップとペットを入れると、AIとの向き合い方が変わります。
これまでは、思いついたことをその場でステアで割り込ませていました。すると今の作業が横道へ逸れて、意図と違う出来上がりになることがある——先ほどの観察のとおりです。これからは、思いついたことはキューに積んで、自分は別の仕事に戻る。ペットが画面の隅で入力待ちを教えてくれたら手を止めて、内容と動作を確かめて次へ流す。動き出したAIの前に張り付いて、完了をただ待つだけの時間を減らせるはずです。
士業や一人社長のように、自分が止まると事業も止まる立場ほど、この差は効きます。手を止める回数が減るのではなく、手を止めるタイミングを自分で決められるようになるからです。
ちなみに、デスクトップアプリとしての手触りはCodexのほうが完成度が高い、というのがみやっち🧑💻の主観的な所感です。うまく言語化できていない感覚の話で、機能の優劣を測ったものではありません。タスクごとの向き不向きはClaude CodeとCodexの使い分けのとおりで、そこは変わりません。
なぜ「操作の型」を覚える価値があるのか
こうした操作の型は、汎用のSaaSを使いこなす話とは性質が違います。
SaaSは、誰かが決めた画面の順序に自分を合わせる作業です。対してAIエージェント(用語集)は、自分の判断基準と手順を渡して動かす相手なので、渡し方の型がそのまま成果物の質になります。今回のキュー運用は、その一番手前にある型です。「割り込みは例外」という切り分けができるようになると、指示の粒度、渡す前提情報、確認するタイミングと、任せ方の設計が順に効いてきます。自分の業務プロセスを自分で握っている事業者ほど、この型を持ったときの返りが大きい。
そして、動かす前からすべてを理解する必要はありません。まずキューに1つ積んで動かしてみて、返ってきたものを見ながら渡し方を直していく。詰まった箇所にだけ降りて学ぶ、という順序で十分です(パラシュート学習法)。
よくある質問
ステアとキューの既定はどこで切り替えますか
ChatGPTデスクトップアプリ(Codexモード)の Settings > General > Follow-up behavior で選びます。1回のメッセージだけ反対の動作にするショートカットも、同じ設定画面に表示されます。
キューに積んだメッセージは後から直せますか
直せます。キューに入れたメッセージは入力欄の上に並び、編集・並べ替え・送信・削除ができます。作業の進行に合わせて不要になった依頼はその場で削除できます。
コマンドライン版(CLI)でも同じことができますか
できます。公式ドキュメントによると、Codex CLIでは、Codexが作業している最中にEnterを押すと今の実行にステアし、Tabを押すと次の実行用にキューへ入ります。
ペットの種類を変えると性能は変わりますか
変わりません。公式ドキュメントでは、ペットの選択で変わるのは見た目であって、ChatGPTがタスクをどう完了するかは変わらないと明記されています。
まずは1本、キューを積んで動かしてみる
みやっち🧑💻が運営する講座「AI Crew」では、これまで198名以上の方にClaude Code・Codexの両方をお伝えしてきました。職業エンジニアはそのうち数名だけで、大半は「ターミナルって何?」から始めた非エンジニアの方です。
自分の業務のどこをキューに積んで任せられるのか、手元の仕事に当てて整理したい方は、まず無料セミナーでお会いしましょう。