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社労士業務をAIに任せる2時間|下田直人社労士主催の勉強会で実演した3業務【26/8/18 登壇レポート】


2026年8月18日の夜、社労士向けコミュニティ「自立型人財・組織育成士研究会」(運営: 一般社団法人 自立した人と組織を育成する協会/代表理事: 特定社会保険労務士・下田直人さん)のスピンオフ勉強会に、みやっち🧑‍💻が講師として登壇しました。テーマは「社労士業務を、AIに任せる2時間」。Zoomで開催され、社労士を中心に27名の方にご参加いただきました。

この記事は、その勉強会で実際に話した内容と、その場で起きたことのレポートです。参加された方の振り返り用に、そして参加できなかった社労士・士業の方が「自分の事務所ならどこから始めるか」を考える材料になるように残しておきます。

Zoomで開催された勉強会の様子。事務局の松浦さん、講師のみやっち🧑‍💻、主催の下田直人さんと参加者の皆さん(参加者の顔と名前はプライバシー保護のためモザイク処理)
Zoom開催の様子(終盤の質疑応答の時間帯)。主催の下田さん・事務局の松浦さん・講師のみやっち🧑‍💻以外の参加者の皆さんは、プライバシー保護のためモザイク処理をしています。

この勉強会で扱ったこと: 社労士事務所で毎月発生している「公文書の整理」「就業規則の改定案づくり」「給与計算のチェック」の3業務を、AIエージェントのClaude Code(クロードコード)に任せる様子を、架空のテストデータでその場で実演しました。ChatGPTに「聞く」使い方から、AIエージェントに作業を「任せる」使い方へ進むための、最初の一歩を持ち帰ってもらう2時間です。

主催の下田直人さんと、勉強会の成り立ち

主催の下田直人さんは、著書『なぜ、就業規則を変えると会社は儲かるのか?』などで知られる社労士で、現在は「一般社団法人 自立した人と組織を育成する協会」の代表理事として、同業の社労士向けに「自立型人財・組織育成士」の養成講座と研究会(月例の勉強会など)を運営されています。今回の勉強会は、その研究会のスピンオフ企画として、事務局の松浦さんの開会挨拶で始まりました。

主催の下田直人さん(一般社団法人 自立した人と組織を育成する協会 代表理事・特定社会保険労務士)
主催の下田直人さん(写真: 一般社団法人 自立した人と組織を育成する協会 公式サイトより)

みやっち🧑‍💻と下田さんのご縁は、2025年3月にさかのぼります。それ以来、社労士業務とAIの相性について折に触れて話してきた流れで、「コミュニティのメンバーにもAIの話をしてほしい」と声をかけていただき、今回の登壇に至りました。

冒頭でお伝えしたのは、今日は一般的なAI活用の話ではなく、社労士業務に絞って「仕事の任せ方」を話す、ということです。みやっち🧑‍💻自身は社労士ではありませんが、ファーストキャリアで公認会計士試験に合格し、士業の隣接業界にいた人間として、士業の仕事の進め方には土地勘があります。

「特別な業務は、ひとつもない」——社労士事務所の現場で見つかる4つの業務

本編は、現場の話から始めました。以前、ある社労士事務所で業務をひとつずつ伺いながら「AIに任せられる部分」を棚卸ししたところ、次の4つが見つかりました。「皆さんの事務所にも、ほぼ同じ形でありませんか?」というのが、最初の問いかけです。

スライド「現場で見つけたAIに任せられる業務」。住民税の処理・人事システムへの転記・帳票のファイル整理・給与計算のチェックの4つ
当日のスライド。住民税の処理、人事システムへの転記、帳票のファイル整理、給与計算のチェック。
  • 住民税の処理: 届いたPDFや紙の内容を、手打ちで転記していた
  • 人事システムへの転記: 顧問先のシステムと社労士側のシステムの間で、ブラウザ間のコピペが発生していた
  • 帳票のファイル整理: 離職票などの帳票から、フォルダを作って手作業で整理していた
  • 給与計算のチェック: 給与システムの出力と元データの突合を、目視で行っていた

事務所のトップが自分の手を空けるために始めても、スタッフの日常業務から始めても構いません。トップダウンとボトムアップの両方から同時に進められるのが、この4つの業務の特徴です。

スライド「特別な業務は、ひとつもない。毎月発生するどこの事務所にもある業務こそ、AIに任せる入口になります」
この日いちばん伝えたかったこと。

そのうえでお伝えしたのが、この一文です。特別な業務は、ひとつもない。 毎月・定期的に発生する「どこの事務所にもある業務」こそ、AIに任せる入口になります。AIは社員と同じで、教えれば教えるほど賢くなります。クライアントごとの言葉の意味や例外処理をルールにして渡していくほど、任せられる範囲が広がっていきます。

事前アンケート:7割はすでに使っている。でも「任せる」には至っていない

勉強会に先立ち、主催のエスパシオさんが事前アンケート(回答23件)を取ってくださっていました。集計すると、回答者の7割がすでに業務でAIを使っていました。 ただし中身を見ると、ChatGPTなどに「何かあったときの相談相手」として聞く使い方が大半で、複数の工程をまとめて任せる段階に届いている方は少数でした。

スライド「自動化したい業務(自由記述・延べ件数)」。手続き・申請・届出11件、給与計算・勤怠・年末調整7件、就業規則5件、労務相談・過去事例の検索4件、発信・営業・コンテンツ制作4件
事前アンケートの「自動化したい業務」。最多は手続き・申請・届出でした。

「自動化したい業務」の自由記述で最多だったのは手続き・申請・届出の11件で、中でも「公文書の取得→リネーム→顧問先ごとの振り分け→共有」の一連が単独で最大のかたまりでした。次いで給与計算・勤怠・年末調整(7件)、就業規則(5件)です。

だから当日は「AIとは何か」の解説はせず、この上位3つをそのままデモの題材にしました。

スライド「“聞く”は、できている。“任せる”には、まだ至っていない。今日のゴールは、その一歩目のきっかけを持ち帰っていただくことです」
この日のゴール。

実演した3業務——公文書の整理・就業規則の改定案・給与計算のダブルチェック

デモに使ったのは、すべて架空の会社・従業員のテストデータです。実際のお客様の情報は一切使っていません。使ったツールは、Claude Codeです。

スライド「今日、実際にやってみる3業務」。①公文書の整理 ②就業規則 ③給与計算のチェック
デモの3業務。③は「作らせる」ではなく「チェックさせる」。

デモ① 公文書の整理——ZIPを開くところから、送付メールの下書きまで

ダウンロードフォルダに、e-Govから取得した体裁の公文書ZIP(雇用保険の資格取得確認通知書などのPDFとXML)を、規則性のないファイル名のまま複数入れておきます。あわせて、顧問先3社の名前と担当者、書類の共有方法(Chatwork/メール/Google Drive)を書いた「顧問先一覧.csv」を置いておきました。

スライド「公文書の整理——こう指示します」。まずゴールだけ伝える指示文と、結果を見てから後で足す指示文の例
デモ①で実際に使った指示。最初はゴールだけを伝えます。

指示は、ほぼこの一文だけです。「ダウンロードフォルダにe-Govから取得した公文書のZIPが入っています。中身を確認して、どの顧問先の・誰の・何の書類かが分かるファイル名に変更したうえで、顧問先ごとのフォルダに振り分けてください。顧問先は顧問先一覧.csvにある3社です」。

Claude CodeはZIPを自分で展開し、PDFとXMLの中身を読んで事業所名と被保険者名を拾い、架空の3社(株式会社あおぞら商事・株式会社みどり食品・有限会社ひまわり運輸)のフォルダを作って、「顧問先名_対象者名_書類名」の形にリネームしながら振り分けました。何をどう振り分けたかの一覧表も一緒に出てきます。松浦さんが実況してくださった「急にダウンロードの下にフォルダができて、ZIPに入っていたファイルたちが中に入っているというマジックが起きています」という言葉のとおりで、Zoomのリアクションが一気に飛んだ瞬間でした。

続けて音声で「僕のGmailの下書きに入れておいてください。送信は絶対しないでください」と頼むと、顧問先の担当者宛ての「公文書送付」メールの下書きが、書類を添付した状態でGmailに作られました(あらかじめGmailを扱うMCPサーバーをClaude Codeにつないである環境での動作です)。あとは人が確認して送信ボタンを押すだけです。ここでお伝えしたのが、AIエージェントは「ファイル起点」ではなく「フォルダ起点」で使うという考え方です。ファイルを1つ選んでアプリで開くのではなく、「このフォルダの中を読んでいい」と範囲を決めて渡す。ここが、これまでのパソコンの使い方との大きな違いです。

デモ② 就業規則の改定案——条番号のずれと参照の整合まで含めて

2つ目は、架空の会社の現行の就業規則(全28条)と、社長との打ち合わせで出た要望をまとめた「改定方針メモ」を渡して、改定案のドラフトを作らせる作業です。要望はフレックスタイム制の導入、年次有給休暇の時間単位取得、慶弔休暇の見直し、在宅勤務の章の新設の4つ。

指示は「就業規則の現行と改定方針メモを読んで、改定案のドラフトを作ってください。条文を挿入したら、条番号のずれと、他の条文からの参照の整合を必ず確認してください。労務の判断が必要な箇所には『要・確認』とコメントを入れてください」です。

出てきたドラフトは、新設・改定・条番号の繰り下げ・参照の付け替えが凡例付きで示され、フレックスタイム制を第9条として新設したうえで、以降の条番号と条文間の参照を機械的に付け替えていました。「要・確認」のコメントはいくつも付いていて、「ここは社長と握ってください」「専門家としてどう判断しますか」と、AIのほうから聞いてくる形です。

ここで参加者から「.mdという見慣れないファイルが多いが、何か意味があるのか」という質問がありました。.md(Markdown)は、見出しの階層や強調をシンプルな記号で表す、AIが読み書きしやすいテキストの形式です。「マークダウンで作って」と頼めばAIが自分で作るので、人が覚える必要はありません。実演の続きでは、「クライアントと握るべきことと、専門家として自分が判断すべきことを分けて表にして」と追加で頼み、さらに「社長に決めてもらいたい項目をメールの下書きに」「要・確認を除いた確定版をWordファイルで」と重ねていきました。Wordファイルは、Claude Codeが自分で生成用のプログラムを書いて出力します。体裁は、事務所のフォーマットのサンプルを渡せばそれに寄せられます。

長い文書の突合や条番号の整合確認は、人がやると神経を使う割に地味な作業です。しかも就業規則のような文書の仕事は、実データが要りません。今日から試しやすい領域です。

デモ③ 給与計算のダブルチェック——「作らせる」ではなく「チェックさせる」

3つ目は、給与システムの出力CSVと、給与計算の元データCSV、そして「◯◯さんは通勤経路が変わって定期代が変わった」「△△さんは半休を取得」といった個別対応メモの3点を渡し、食い違いを洗い出させる作業です(架空の10名分)。

スライド「給与計算のチェック——こう指示します」。2つのCSVを突合して食い違いを洗い出し、個別対応メモも読んでどちらが正しそうかの当たりを付け、人が確認すべき箇所だけのレポートにまとめる指示
デモ③の指示。数字を作るのはこれまでどおり人とシステム。AIには「見落としの検知」を任せます。

出てきたレポートは「人が確認すべき箇所」だけに絞られていました。たとえば、ある従業員の残業時間が元データとシステム出力で食い違い、個別対応メモにも該当がない行は「勤怠原本で要確認」。通勤定期代が食い違っている行は、メモに経路変更の記載があったので「元データ側が正しく、システム側が旧額のままの可能性が高い」と当たりを付けてくる、という具合です。

そのうえで「このチェックを毎月やるので、手順を再利用できる形にまとめてください」と頼むと、Claude CodeのSkills(スキル)として手順が保存されました。次の月からは、毎回長い指示を書かなくても、その手順を呼び出すだけで同じチェックが走ります。当日は、みやっち🧑‍💻が自社で実際に使っているスキル(領収書の画像やPDFを読み取って「日付_勘定科目_内容」の形にリネームするもの)も画面でお見せしました。

Skillsは、噛み砕いて言えば社員向けのマニュアルです。「2回やったな、と思ったらスキルにする」を口癖にしていくと、事務所の中に「毎回ゼロから考えなくていい手順」が資産として溜まっていきます。

デモの終わりに、チャットで「①②③のどれがいちばん刺さったか」の人気投票をしたところ、票はきれいに散らばりました。事務所ごとに困りごとの形が違うことの表れだと思います。

指示の出し方:まず大きなゴールを伝える。細かい指示は後から足す

3つのデモに共通していたのは、指示の出し方です。

スライド「まず、大きなゴールを伝える。細かい指示は、後から足す。完璧な指示文を最初から書く必要はありません」
3つのデモに共通する指示の出し方。

AIエージェントは基本的に賢いので、最初から細かく書く必要はありません。まず大きなゴールを伝える → 結果を見て「なんか違う」を伝える → うまくいったら型にする、の繰り返しです。社員に「Aやっておいて」と頼んだ5秒後に「ごめん、Bだった」と言い直すと相手は疲れてしまいますが、AIは誰も怒りません。だから、心理的な負担が圧倒的に軽い。手数が大事です。完璧主義でビビってしまう人は、そのマインドブロックを先に外して、もっと雑に指示を出してみてください。

もうひとつ、キーボードで指示を打たず音声入力を使うこともお勧めしました。みやっち🧑‍💻の体感では、文章を打つスピードが10倍ほど違います。友達に話しかけるような雑な言い方で構わないので、音声のほうがずっと楽です。専用アプリを使うと変換の精度が上がりますが、最初はパソコンやスマホに元から入っている音声入力でも十分です。

落とし穴:多くの人が止まるのは「個人情報の壁」

ここまでできたとしても、実務の一歩目で多くの方が止まります。事前アンケートでも、個人情報・顧客データの扱いに触れた方が複数いらっしゃいました。しかも「なんとなく不安」ではなく、有料プランや社内ルールの検討を進めたうえで止まっている段階です。

スライド「多くの人が止まるのは『個人情報の壁』」。必要なのは安全か危険かの二択ではなく、どの業務のどの部分まで任せるかの線引き
「安全か危険か」の二択ではなく、線引きの問題。

当日お伝えした前提は3つです。①業務で使うなら必ず有料プランにすること。②設定画面のプライバシー項目で、入力内容をモデルの改善に使わせる設定をオフにすること。③実データを扱う前に、顧問先との契約や利用サービスの規約で何ができるかを確認すること。AIにデータを渡すことを前提にした顧問契約は、数年前まで一般的ではありませんでした。だからこそ「今の契約でできる範囲」から始めるのが現実的です。

そのうえで、線引きの物差しとして3つを挙げました。

スライド「線引きの考え方——3つの物差し」。手元か外部か/試すときはマスキングした資料やテストデータで検証/事務所のルールを明文化
線引きの3つの物差し。
  • 手元か、外部か: その処理はパソコンの中で完結するか、外部にデータを送るか。ファイル名やフォルダの整理は、手元で完結させやすい領域です
  • 試すときは、実名データを使わない: マスキングした資料やテストデータで検証してから判断する(この日のデモと同じ進め方です)
  • 事務所のルールを明文化する: 「この業務はここまで任せる」の基準を書いておいて、毎回ゼロから迷わないようにする

一方で、いちばん良くないのは「まったく触っていないから全部怖い」になって、何も始められないことです。個人情報を含まない業務、たとえば就業規則のような文書の仕事や、外部の公開データを集める作業から始めれば、リスクを抑えたまま肌感覚が身につきます。

なお、実データの取り扱いは顧問先との契約内容や利用サービスの規約、事務所の方針によって判断が変わります。この記事は法的助言ではありませんので、実データを扱う判断は、必ず個別にご確認ください。

この先にあるのは「単発の時短」ではなく「事務所の仕組み」

終盤は、この先の発展形の話をしました。

スライド「この先には、もっと進んだやり方があります」。作業環境ごと任せる/判断基準を移植する/事例をナレッジにする
この先の3つの発展形。
  1. 作業環境ごと任せる: チャットに貼り付けるのではなく、AIがファイル・フォルダを直接扱える環境を持つ(今回のデモがこの形)。顧問先ごとにフォルダを分け、A社の作業中にB社の情報が見えない状態で始めるのは、必須の作法です
  2. 判断基準を移植する: 自分が毎回気にしていることや、給与ソフトごとの癖を、指示書(CLAUDE.md)やSkillsに書いて渡す。毎回説明しなくてよくなります
  3. 事例をナレッジにする: 過去の労務相談の対応履歴や自分の判断を、AIが読める形で整理しておく。事務所の蓄積がそのまま資産になり、AIがだんだん自分の分身のようになっていきます

ChatGPTに単発で相談する使い方には「仕組み」がありません。AIエージェントによる業務改革との違いは、結局のところ、事務所の中に資産と手順を積み上げられるかどうかです。これはほとんど会社づくりと同じ話で、人数に関係なく、仕組みを作った人から順に回り始めます。だからこそ、社労士と税理士の2つの士業は、AIエージェントととても相性がいいと考えています。

主催・下田さんの総括

質疑応答のあと、下田さんが総括してくださいました。ご本人の言葉から、いくつかご紹介します。

語りかける下田直人さん(特定社会保険労務士・株式会社エスパシオ代表)
総括を語る下田直人さん(写真: 株式会社エスパシオ 公式サイトより)

「みやっちさんは社労士じゃないんですよね。社労士じゃない人が『こういうのできるんじゃないの?』と言って、Claude Codeを使ってこれだけのことができてしまう。専門家の僕らがやれば、もっといろんなことに使える。これはすごく想像力の世界だと思う」

「手続きなど、AIにかなわないところに一生懸命抗おうとしても時間の無駄。そこは任せてしまって、できた時間で人にしかできないところに時間をかけて、そこの単価を上げていく」

そして、就業規則の専門家として何冊も本を書いてこられた下田さんご自身の口から出た「就業規則も、もう本当に“作る時代”じゃないなと思っている」という一言が、強く印象に残りました。これは「作らなくてよくなる」という意味ではなく、条文を組み上げる作業はAIに任せ、社労士は経営者と何を決めるかという上流の仕事に時間を使うべきだ、という文脈での言葉でした。だからこそ「それぞれがしっかり学んだほうがいい」と続けておられたのが印象的です。

クロージングでは、下田さんから「セミナーをやる、営業をするというときに、日常業務があるからチラシやLPを作る時間が取れない、という話がよくある。LPを自分で簡単に作れて、違ったと思えばすぐ直せるとなれば、営業のとっかかりのハードルがすごく下がる」という話もありました。まさにそのとおりで、AIエージェントは業務の効率化だけでなく、事務所の営業・発信にも同じ道具で効きます。

質疑応答から

参加者の皆さんからの質問と、当日お答えした内容の一部です。

就業規則について特別な学習をさせなくても、あそこまでできるのか?

できます。就業規則の一般的な構成や規定は、AIがすでに理解しています。そのうえで、事務所独自のノウハウを渡しておくと、さらに精度が上がります。

事務所のデスクトップとノートパソコンの2台で使うと、データやスキルは共有されないのか?

今回のようにClaude CodeやCodexをパソコンの中で動かす使い方では、設定やスキルはそのパソコンに保存されるので、そのままでは共有されません。まずは「データを貯めるメインのパソコン」を1台決めて、外出先のスマホや別のパソコンからはそのメイン機を遠隔操作する形がいちばん始めやすい方法です(Claude Codeのリモートコントロールを参照)。次の段階として、ファイル一式をGitHubという管理ツールに置いて、各パソコンから取り込んで揃える方法もありますが、そこは慣れてからで十分です。

「これを覚えておいて」と伝えたことは、ずっと覚えてくれるのか?

セッションを新しくすると、会話の文脈は真っさらになります。Claude Codeには「覚えておいて」と伝えた内容を自動でメモに残す機能もありますが、それに頼り切らず、覚えておいてほしいことは自分でファイルとして残しておくのが確実です。作業に関係しそうなファイルをAIが自分で検索して読みに行くので、ファイルにしておけば次回もそこを参照して動きます。だから、ナレッジをファイルとして溜めることが大事になります。

顧問先の同意はどう取ればいいのか?

まずは今の契約でできる範囲で進める、個人情報を含まない業務から試す、が出発点です。そのうえで、AI活用への理解のある顧問先から同意を得て範囲を広げていく、という順番が現実的だとお答えしました。顧問先にとっての利点を伝えにくい面があるので、一律に契約を巻き直すのは簡単ではありません。契約や規約の判断は、必ず専門家にご確認ください。

音声入力に専用アプリを使うメリットは?(主催の下田さんからの質問)

変換の精度です。パソコンに元から入っている音声入力よりも認識が正確なので、言い直しが減ります。ただし最初は標準の音声入力で始めて構いません。

締めくくりに:業務をいちばん理解しているのは、皆さんです

勉強会の最後にお伝えしたのは、この一言です。社労士業務をいちばん理解しているのは、参加された皆さんご自身です。 みやっち🧑‍💻が持っているのはAIに任せるための「型」であり、そこに皆さんの業務知識を掛け合わせたときに、できることが一気に増えます。

ルールが完全に整うのを待っていたら、何も始まりません。まずは自分の仕事の中の、個人情報を含まない業務から。触ってみないと肌感覚は身につきません。

勉強会の終盤には、参加者向けにAI Crewのご案内と、普段は行っていない無料の個別相談(事務所のどの業務にAIが効くかを一緒に棚卸しする30分)の機会も用意しました。この場を作ってくださった下田さん、松浦さん、そして遅い時間までご参加くださった皆さん、ありがとうございました。

社労士・税理士をはじめとする士業の方が「自分の事務所のどの業務にAIを刺すか」を見つけるところは、無料セミナーでも扱っています。まず無料セミナーでお会いしましょう。

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