CLAUDE.mdとは|AIに毎回同じ説明をしないための「社内憲法」の作り方
Claude Codeを使っていると、必ずこう感じます。「この前提、先週も説明したよな」と。自社の事業内容、文章のトーン、やってほしくないこと——毎回チャットの最初に同じ説明を打ち直している。これは、AIが忘れっぽいからではなく、Claude Codeのセッションが毎回まっさらな状態から始まるためです。
この「毎回の前提説明」を一度きりにする仕組みが、CLAUDE.mdという名前のファイルです(「クロード・ドット・エムディー」と読みます。.mdはメモ書きによく使われるテキスト形式の拡張子です)。
CLAUDE.mdとは Claude Codeが各セッションの開始時に必ず読み込む、自分で書いておく指示書のことです。事業の前提・守ってほしいルール・用語の使い方などをこのファイルに書いておくと、毎回説明しなくても、Claude Codeがそれを踏まえて動くようになります。プロジェクトのフォルダに置く
CLAUDE.mdという名前のテキストファイルです。
この記事では、みやっち🧑💻が実際に運用している考え方をもとに、非エンジニアでもできるCLAUDE.mdの作り方と、情報がブレないようにする「Single Source of Truth」の考え方を解説します。
CLAUDE.mdとは何か(AIに毎回読ませる「社内憲法」)
CLAUDE.mdは、一言でいえば社内憲法です。
新しく人を雇ったとき、「うちはこういう事業で」「お客様への言葉づかいはこう」「これだけは絶対にやらないで」といった前提を、毎回口頭で説明するのは大変です。だから会社には、就業規則や行動指針のような「全員が前提として共有する1枚」があります。CLAUDE.mdは、その1枚をClaude Codeに持たせるものだと考えてください。
ふつうにClaude Codeに指示を出すと、その内容はその場かぎりの会話で終わります。翌日また開くと、Claude Codeは事業のこともトーンのことも知らない、まっさらな状態に戻っています。CLAUDE.mdに書いておけば、その前提はファイルとして残り、次回以降は毎回、会話の最初に自動で読み込まれます。
なぜAIは毎回同じ説明を求めるのか(セッションは毎回ゼロから始まる)
Claude Codeが毎回同じ説明を必要とするのは、性能が低いからではありません。1回の作業のまとまり(セッション)ごとに、まっさらな状態から始まる設計だからです。
人間の新入社員なら、一度教えたことは翌日も覚えています。Claude Codeは違って、セッションを閉じると、その会話で伝えた前提は基本的に引き継がれません。Claude Code自身が気づいたことを書き留めておく「自動メモリ」という仕組みもありますが、何を残すかはAIの判断に任せる形で、古い情報が混ざることもあります。だからこそ、毎回必ず引き継ぎたい前提は、会話に頼らず、自分でCLAUDE.mdというファイルに書いて毎回読ませるのが確実です。Claude Codeそのものがまだピンとこない方は、Claude Codeとは何かから読んでみてください。
CLAUDE.mdの作り方(型に沿って埋めるだけ)
CLAUDE.mdは、自分でプログラムを書く必要はありません。中身はただの日本語のテキストです。みやっち🧑💻は、ゼロから書き始めるのではなく、決まった型(テンプレート)に沿って埋めていくことをおすすめしています。
- 型に沿って項目を埋める — 次の章で紹介する4つの型(目的/情報の置き場所/基本原則/禁止事項)に沿って、自分の事業の前提を日本語で書いていきます。何を書けばいいか迷わずに済みます
- 下書きはClaude Codeに手伝ってもらう — 「この内容でCLAUDE.mdの下書きを作って」と頼めば、整った形にしてくれます。自分は中身が正しいかを確認して直すだけです
- 気づいたときに足していく — 最初から完璧を目指さないのがコツです。「あ、これ先週も説明したな」と思った瞬間に、その一文をCLAUDE.mdに足す。これを繰り返すと、自分専用の社内憲法が育っていきます
ポイントは、同じ説明を2回したと気づいたら、その場でCLAUDE.mdに書くという習慣です。会話で直すとその場かぎりで消えますが、ファイルに書けば次回から効きます。
何を書いて、何を書かないか
CLAUDE.mdは長く書けば効くわけではありません。むしろ、毎回の土台として必要な判断基準だけに絞るほうが、AIはよく従います。みやっち🧑💻は、おおむね次の4つに絞っています。
- プロジェクトの目的 — 何のための事業・作業で、AIに何を期待しているか
- 情報の置き場所 — どの情報はどのファイルを見ればよいか、という索引
- 基本原則 — 文章のトーン、判断の軸など、常に守ってほしい方針
- 禁止事項・注意事項 — これだけは絶対にやらないでほしいこと
逆に、長い作業手順や、特定の作業のときだけ必要なやり方は、CLAUDE.mdに詰め込みません。手順はSkills(手順書)に逃がすのが、このサイトの運用です。CLAUDE.mdは「毎回読む前提」、Skillsは「その作業のときだけ呼び出す手順」と、役割を分けています。
同じ情報は1か所だけに(Single Source of Truthの考え方)
CLAUDE.mdを運用するうえで、もう一つ大事な考え方があります。それが、Single Source of Truth(SSOT=唯一の正典)です。
同じ事実やルールを、あちこちのファイルに重複して書いてしまうと、片方を直したときにもう片方が古いまま残ります。すると、Claude Codeが食い違う情報を同時に読み、回答が不安定になります。会計でいう二重帳簿のようなもので、どちらが正なのか分からなくなるわけです。
そこでみやっち🧑💻は、次の原則で運用しています。
- 正本は1つに決める — ある事実・ルールの正式な置き場所を1ファイルに決め、他のファイルからはそこを参照させる(同じ内容を二重に書かない)
- 置き場所をドメインごとに固定する — 料金のことはこのファイル、表現ルールはこのファイル、と情報の所在を毎回同じにする
- 実態が変わったら、その正本をその場で上書きする — 古くなった記述を放置しない
これは大げさな話ではありません。いま読んでいるこのサイト自体、事業の前提や表現ルール、Git運用のルールをCLAUDE.mdと各フォルダの説明ファイルに集約し、実態が変わるたびに上書きして運用しています。
CLAUDE.mdは「強制」ではないことを知っておく
最後に、安全に関わる大事な注意点です。CLAUDE.mdに書いた内容は、Claude Codeが毎回参照する前提情報ではありますが、絶対に守られる強制設定ではありません。公式ドキュメントでも、CLAUDE.mdはシステムプロンプトの後に渡される指示として扱われ、内容によっては従いきれないことがあると明記されています。具体的で簡潔に書くほど従いやすくなりますが、「書いておけば100%守る」ものではない、と理解しておいてください。
そのため、「この操作は絶対にさせたくない」という類いのこと——たとえば特定の操作の禁止や、外部への送信の制限など——は、CLAUDE.mdの文章だけに頼らず、Claude Codeの権限設定(permissions)やフック(hooks)といった、機械的に止める仕組みで守るのが安全です。どこまでを文章のルールで、どこからを仕組みで守るかは、扱う情報の重要度や自社のセキュリティ要件によって変わります。機密性の高い情報を扱う場合は、自社の規定を確認し、情報システム担当や専門家に相談しながら進めてください(本記事は法的・技術的な助言ではありません)。
CLAUDE.mdは、Claude Codeを仕事の基盤に育てる5ステップの中の「ナレッジ整備」にあたる土台です。まず「毎回している同じ説明」を1つ、CLAUDE.mdに書き写すところから始めてみてください。AI Crewでは、こうした自分専用の社内憲法づくりを、実際に画面を一緒に触りながらお伝えしています。気になる方は、まず無料セミナーでお会いしましょう。