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事業承継×AI|製造業の後継者が、父の代のデータで生産管理システムを自作した話【受講生実績】


AIの学校「AI Crew」を運営しているみやっち🧑‍💻です。この記事は、家業の事業承継を控えながら、自社の基幹システムを2つ自分で作ってしまった受講生、梶井たいせいさんの実録です。

梶井たいせいさんの実績: 梶井たいせいさん(@kaizen_dx_taisei)は、祖父の代から続くアパレル製造業(国内生産)の後継者であり、ご自身で立ち上げた放課後等デイサービス2店舗の経営者でもあります。AI Crewに入会後、Claude Codeで製造業の生産管理システム福祉事業の人事労務基幹システムの2本を自作。2026年7月31日の個別コンサルティングで、その画面を見せていただきました。

この記事は、2026年7月31日の個別コンサルティングをもとに構成しています。発言は読みやすさのために整えています。掲載している画面は、ご本人の許可を得たうえで、企業名・個人情報にあたる箇所を加工しています。なお、ここで紹介する成果はご本人の実績であり、同様の成果を保証するものではありません。

大阪の会社員から、地元の経営者へ

梶井さんはもともと大阪で会社員をしていました。地元に戻るきっかけになったのは、祖父が亡くなったことです。

家業はアパレル製造業。パンツを国内で縫製する仕事を、祖父の代から続けてきました。ただ、国内生産のアパレルは決して楽な事業環境ではありません。新しい事業を何か始めようと考えていたときに、亡くなった祖父が福祉と深い関わりを持っていたことを知ります。いとこに障害があることもあり、放課後等デイサービスの立ち上げを決めました。

祖父が残してくれた建物と土地があって、それをうまいこと使えないかなというところと、いとこも障害を抱えていて。いろいろ聞いていくと、自分の中でこれはやらないといけないかな、と。「ちょっと俺これやってみるわ」みたいな感じで始めました。(梶井さん)

現在は、父が代表を務める製造業を数年内に承継する立場でありながら、自分で立ち上げた福祉事業2店舗を経営しています。まったく毛色の違う2つの事業を、同時に見ている状態です。

父の代に溜まっていたのは「AI時代にぴったりのデータ」だった

ここがこの実例の核心です。梶井さんの家業には、AIの前からデータがありました

AI云々よりも、本当に何年も前から、うちの親父はアクセス(Microsoft Access)がすごく大好きで。データベース化をするのがすごく好きな人間なんですよ。(梶井さん)

パンツの縫製はいくつもの工程に分かれます。その工程ごとにカウンターがあり、作業が終わるたびに職人が押す。それがナレッジとして何年も蓄積されていました。さらに、作業の動画も撮ってありました。

AI時代に本当にぴったりなことを、過去からずっとやっていた。(梶井さん)

多くの中小企業にとって、AI化の最初の壁は「渡せるデータがない」ことです。梶井さんの会社は、父の趣味とも言えるデータ好きが、そのまま次の世代の資産になっていたわけです。

そして梶井さんは、その資産の上に、自分で管理ツールを作り始めました。現場の人の意見を吸い上げながら、「こんなのがあったらいいな」を形にしていく作り方です。

1つ目:製造業の生産データハブ

まず見せていただいたのが、製造業側のシステムです。

製造業の生産データハブ。前日の総合効率、出勤者数、当日の打ち手が1画面にまとまっている(企業名・製品番号は加工しています)

トップ画面を開くと、前日の工場が一目で分かります。総合効率が前日比で何ポイント動いたか、いつもより低ければ「下の打ち手から確認してください」と画面が教えてくれる。出勤人数、様子を見るべき人数、その日の打ち手の件数まで、経営者が朝いちばんに知りたいことが1画面に並んでいます。

メニューを見ると、この1本がカバーしている範囲の広さが分かります。

  • デイリー・実績KPI:日々の出来高と、稼働時間に対する効率
  • 製品ノート・品質ログ・ニアミス・損失:製品ごとの指示書と、ミスのナレッジ
  • 配置シミュレーション・力量ダッシュボード:誰をどこに置くかの検討
  • スキルマップ・現場評価・育成計画・人事評価:現場の評価制度
  • 作業の型・動画資料:作業手順の標準化

現場のミスは、貯めっぱなしにせず次に生かす。誰がどの工程をどれだけできるかを可視化して、配置と育成につなげる。工場の運営そのものが1つのダッシュボードになっています。

一度はAIに解析までさせてみたものの、「あまり的を射ていない」という現場の声を受けて、そこは人間が取りまとめる形に戻したそうです。作った本人が現場の声で調整できることが、内製の強みそのものです。

2つ目:福祉事業の人事労務システム

もう1つが、福祉事業側の基幹システムです。

福祉事業の基幹システム。勤怠・給与・人事評価・経費精算・書類までを1つにまとめている(事業所名は加工しています)

こちらは、勤怠・休暇、給与・手当、人事評価、職員・採用、経費・経理、書類・データが1つに集約されています。

職員のデータベースと経費精算と、僕が普段やっているものが結構てんやわんや、バラバラになっていたので。これをギュッとまとめて、この中で完結させてやろうと。(梶井さん)

賞与の計算は、福祉業界では制度上そこそこ複雑になります。有給の年5日義務の未達者、産休・育休の手続き、評価記録——バラバラのツールと紙で管理されがちな情報が、ここでは1画面から追えます。新人研修用のアプリまで別で作ってあり、1日の流れで全ルールを学べるようになっていました。

作った動機は、効率化だけではありませんでした。

新しい職員が最近入ったので、聞かずとも分かるような仕組みを作りたいなと思って。(梶井さん)

人事評価をつくる理由は「実習生を正当に評価したい」だった

製造業側のスキルマップと人事評価について聞いたとき、返ってきたのは技術の話ではありませんでした。

現場を支えているのは、60歳を超えたパートの方々と、外国人の技能実習生・特定技能の方々です。そこにある父=現社長の思いは、はっきりしていました。

外国人の実習生でも、やっぱり能力の高い人はしっかりと評価をしてあげたい。そこにはしっかりとお金を払ってあげたい。だから、このあたりの人事評価はしっかり整えたいんや、と。(梶井さん)

評価制度を作りたいという経営の意思が先にあって、それを形にする手段がAIだった。 順番がこうなっている会社は強いです。ツールが先にあって使い道を探す状態とは、進み方がまったく違います。

社内には、Claude Codeにすっかりハマった60歳ほどの品質担当の方もいて、梶井さんと一緒に触っているそうです。「田舎だから」「年齢的に」で線を引かなくていいことを、この会社は社内で証明してしまっています。

個別コンサルで話した、3つの論点

ここまで作れている人の相談は、「どう作るか」ではありません。相談の中心は「このあと、どう事業にするか」でした。

1. 発信がゼロなのは、いちばんもったいない

梶井さんの自己申告での課題は、発信でした。半年以上ずっと「やらなきゃ」と思いながら、手をつけられていない状態です。

僕がお伝えしたのは、Claude Codeの会話ログがそのまま社内の情報資産になっているということです。何を作り、どこで詰まり、どう直したか。全部残っています。それを元にnoteの記事にすれば、発信のためにわざわざネタを作る必要がありません。日記のようなものです。

しかも、事業承継と製造業のAI化は、日本中の会社が同時に直面しているテーマです。「父から引き継ぐ会社を、こうやって作り替えています」という一次情報は、そう多くありません。

2. 「ツールを売る」のか「作れるようになってもらう」のか

梶井さんが考えているのは、自社で確立した仕組みを、地元の同業・異業種にパッケージとして提供することです。ここには2つの売り方があります。

  • 作ったツールを提供する(買い切り・SaaS)
  • 作れるようになる教育・伴走支援を提供する

どちらが売れるかは、正直やってみないと分かりません。お客さんが欲しいのはツールなのか、作れる力なのか。だから両方を実際に当ててみて、反応が返ってきた方に絞る。 これが最短です。

3. 進みすぎた自社を、そのまま持っていかない

これだけデータを混ぜ込んだ仕組みは、いきなり持ち込むと「うちには無理だ」で終わります。梶井さん自身が、そこは冷静に見ていました。

ここまでデータをいろいろミックスしたものは、さすがにいきなり持っていっても「これはうちにはできんわ」となってしまうんで。まずは本当にベースの部分を整えるところからやるシステムを開発して、ちょっとずつうちに近づけていく。(梶井さん)

自社の成功モデルを外販するときの原則そのものです。相手が乗れる高さから始めて、あとから引き上げる。

この実例が効くのは、どんな人か

梶井さんの実例は、次のような立場の方にそのまま当てはまります。

  • 家業を継ぐ立場にいる方。現場のオペレーションをどこまで変えていいのか、先代とどう並走するかが論点になっている
  • 製造業・福祉・建設など、現場を持つ事業者。紙とExcelとバラバラのツールに情報が散っている
  • すでに社内にデータが眠っている会社。日報、工程記録、質問対応の履歴、作業動画——AIに渡す材料は、たいてい社内にあります

梶井さんが特別だったのは、プログラミングの才能ではありません。社内に溜まっていたものを「資産だ」と見なして、そこから作り始めたことです。

AI Crewの講座はClaude Code・Codexの両方に対応しており、受講生は経営者・個人事業主・士業・会社員まで、ほぼ全員が非エンジニアです。他の受講生の実例はしょうさん・ななさんの実録りょうこさんの対談Claude Codeの受講生実績6選に、講座そのものの説明はAI Crewとはにまとめています。

自分の会社に眠っているデータが仕組みに変わる姿を具体的に見てみたい方は、まず無料セミナーでお会いしましょう。

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※「AI Crew」は株式会社AI Orchestraの登録商標(登録第6942947号)です

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