Codex(コーデックス)でできること|無料勉強会で実演した5つの中身を公開【2026年8月6日レポート】
2026年8月6日の夜、無料のオンライン勉強会「Codex完全攻略ロードマップ勉強会」を開催しました。この記事は、その当日に実際に話した内容そのもののレポートです。参加できなかった方にも持ち帰れる形で残しておきます。
この勉強会で扱ったこと: Codex(コーデックス)をChatGPTのデスクトップアプリから始める道筋と、始めたあとに必ずぶつかる壁の越え方です。当日はターミナル(黒い画面)を一度も見せず、参加者が手を動かすワークを8本、約55分間に集中して配置しました。「かんたんです」と主張するのではなく、その場で実際に動かしてもらう構成です。
以下、当日の骨格を5つに分けて公開します。
①「Claude Codeで挫折したのは、あなたのせいではない」から始めた
冒頭は、挫折の話からでした。この勉強会の申込者アンケート(有効回答71人・自社調査)で、56.3%がClaude Code(クロードコード)を「触ったことがない」「一度触ったがよく分からなかった」と答えていたからです。多数派は、止まっている側でした。
そこでお伝えしたのは、Claude Codeをターミナル版で始めると、初手に難所が5つ同時に来るという話です。黒い画面(ターミナル)・承認の連続・英語表示・初期設定・専門用語。どれか1つなら越えられますが、使い始めの最初の場面で5つ全部が来ます。止まるのは能力ではなく、入口の構造の問題です(この5つの詳細は調査記事で扱っています)。
Codexは、ChatGPTのデスクトップアプリの中から始められます。ターミナルを開いてインストールする工程が要らないぶん、最初の準備が短く済みます。Claude Codeにもデスクトップアプリ版はありますが、すでにChatGPTを使っている人にとっては、いま入っているアプリの中に入口があるのが大きな違いです。細かい機能差はあるものの、日本語で頼んで作業してもらうという流れ自体は変わりません。だから最初の一歩に向いている、という位置づけで当日は進めました。
②「下準備が8割」——Codexを開く前に勝負は決まっている
当日の中核メッセージに据えたのが、この話です。
AIがうまく使えない原因は、プロンプトの上手い下手ではありません。日常的にコンテキスト(AIに渡す前提情報)を集めているかどうかです。集めていないから、依頼のたびに自分の頭からひねり出す羽目になり、そのたびに「うまく指示できない」と感じることになります。
当日お伝えした集め方は、特別な道具を使いません。
- オンラインの打ち合わせ: Zoomのクラウドレコーディングをオンにしておく(追加ツール不要)
- 対面: レコーダーを常時携帯する(録音は相手の許可を取ってから)
- 溜めた生データ: そのままでは使えないので、目次と要約をAIに作らせて引ける形にする
当日の中核メッセージはこの一文です——「自分が知っていることと、Codexが知っていることの差分をゼロにする」。この差分が埋まっていないうちは、どんなプロンプトを書いても、相手は前提を知らないまま答えることになります。
③ 裏口と表口——接続の権限が下りなくても、AIは動く
当日、実演を通していちばん具体的に見せたのがここです。外部のツールとAIをつなぐ道は、2つあります。
| 裏口 | 表口 | |
|---|---|---|
| 仕組み | API・MCP(コネクタ)で直接つなぐ | 人間と同じようにブラウザや画面を操作する |
| 速さ・確実さ | 速い・安定している | 遅い・画面の作りに左右される |
| 必要なもの | 相手ツール側の対応と接続の権限(管理者の許可・APIの提供) | 相手ツールのAPI対応は不要(代わりに自分の端末側で画面操作の許可が必要) |
「うちの会社は勝手にツールを繋げないから、AIは使えない」——これは裏口だけを見た結論です。表口(Computer Use)は、人が画面を触るのと同じことをAIがやります。相手のツールがAPIやMCPに対応していなくても対象にできるのが要点です。
ただし「何の許可も要らない」わけではありません。自分の端末側で画面収録やアクセシビリティの許可を出す必要があり、操作対象のアプリごとに承認も要ります。会社の統制を迂回する道具ではなく、管理者としての認証やセキュリティ許可ダイアログの承認はできない設計です。端末の利用ルールの範囲内で使うもの、という前提は変わりません。
当日は、あるアワードの応募フォームへの自動記入をその場で実演しました。ほかにも、イベントページの作成、Wordで作る消防計画、名刺の一括生成といった実例を提示しています。
この道が効くのは、API連携が用意されていない業務システムを使っている事業者にも、社内でツールの接続許可が下りない会社員にも、答えが同じになるからです。
④ ChatGPTへの依頼と、AIエージェントへの依頼は別物
ここは考え方の話です。チャットで聞く使い方は答えが返って終わりですが、AIエージェントはループして働きます。だから依頼の形が変わります。当日は、OpenAIがCodexのベストプラクティスとして示している4点セットを紹介しました。
- Goal(何を達成したいか)
- Context(前提となる情報)
- Constraints(守ってほしい制約)
- Done when(どうなったら完了か)
肝は4つ目です。完了条件がないと、エージェントは「どこでループを抜けていいか」を判断できません。 延々と手直しを続けたり、逆に中途半端なところで止まったりするのは、たいていここが書かれていないからです。
部下に仕事を頼むときも同じで、「いい感じにやっておいて」だけでは終われません。4点セットは、その当たり前を文章にしただけのものです。
⑤ 精度は1発目のプロンプトではなく「10件目」で跳ねる
よくいただく質問に「プロンプトはどこまで細かく書けばいいのか」があります。当日お答えしたのは、こうです。
1回の依頼を完璧にしようとするより、同じ場所に情報を溜め続けるほうが効きます。 1件目は失敗します。なぜ違ったのかを伝えます。2件目、3件目と重ねていくと、10件目あたりで急に精度が跳ねます。
問題は、ほとんどの人が2〜3回で「AIは使えない」と判断して離れてしまうことです。1件目の失敗は想定内の工程であって、失敗の証拠ではありません。「Codexを業務の基盤にする」という言い方の中身は、この積み重ねのことを指しています。
意図的に話さなかったこと
当日、スキル(Agent Skills)・AGENTS.md・サブエージェント・フック(hooks)といった仕組み化の話は「今日は入れません」と明言して外しました。
理由は、初めて触る人にこれを話しても、苦手意識が生まれるだけでプラスになったことがないからです。できることの多さを見せるほど親切に思えますが、実際には「やっぱり難しそうだ」の材料を増やしているだけになります。まず1つ動かす。仕組み化はそのあとで十分間に合います。
終盤に話した「落とし穴」
最後に、独学で進めるときの落とし穴を扱いました。中でも重要なのが、「分からないことはAIに聞けばいい」が成立する条件です。
これが成立するのは、①コンテキストが揃っていて ②やりたいことが明確で ③自分の業務が棚卸しできている人だけです。多くの人は、その手前の「何を聞けばいいか分からない」段階にいます。
当日はここまでで時間切れでしたが、最初にやることは学習ではなく棚卸しです。1週間の自分の作業を思い出して、「毎回同じ手順でやっていること」「手が止まって後回しにしていること」を書き出す。この2つがAIに渡す最初の候補になります。何を作ればいいか思いつかない場合の探し方はAIに作らせるものの見つけ方にまとめています。
よくある質問
Codexを使うには、Claude Codeを先にやめる必要がありますか?
いいえ。みやっち🧑💻自身も両方を併用しています。使い分けの実際はClaude CodeとCodexの併用術で扱っています。
勉強会のアーカイブ配信はありますか?
ありません。当日その場にいた方だけが持ち帰れる形にしています。この記事は当日話した骨格をまとめたもので、実演そのものの代わりにはなりません。
Computer Useは、どのプランでも使えますか?
2026年8月時点では、対応地域において、ChatGPTデスクトップアプリ(macOS/Windows)のChatGPT WorkとCodexで利用できます(公式ドキュメント)。利用できる範囲や条件は提供元の仕様変更で変わるため、最新の条件は必ず公式の案内でご確認ください。仕組み自体の解説はComputer Useとはにまとめています。
何から始めるのがいいですか?
Codexを入れることではなく、コンテキストを溜め始めることです。次の打ち合わせの録音をオンにするところからで構いません。道具は後から追いつきます。
大事なのは「自分の業務に翻訳できるか」
当日、実演を始める前にひとつお願いをしました。「これは自分の業種の話ではない」と切り捨てると、持ち帰れるものが一気に減るということです。営業の例が出たときに「自分は営業じゃないから関係ない」で止めず、抽象化して自分の業務に置き換えられるものは何か、を考えながら見てほしい、と。
Codexの操作方法そのものは、無料の情報にもYouTubeにも出ています。当日お話ししたのは、それを使って自分の仕事や事業そのものをどう変えるかのほうでした。
無料セミナーでも、この「自分の業務のどこに刺すか」を一緒に見つけるところからお話ししています。まず無料セミナーでお会いしましょう。