Claude Code・Codexのループ設計とは|開ループ・閉ループ、内ループ・外ループを使い分ける8つの原則
この記事は、YouTube「事業者向けのClaude Code・Codex活用術」の動画の内容を文字でまとめたものです。画面の操作も含めて見たい方は、上の動画をどうぞ。 YouTubeで見る ↗
Claude Code・CodexなどのAIエージェントに、毎回指示を出さなくても仕事を回してもらうには、AIの動き方を「開ループ・閉ループ」と「内ループ・外ループ」の4つで設計します。閉ループの方がすごいわけでも、必ず外ループが要るわけでもありません。どのループを作るかはタスクの性質で決まる、というのがみやっち🧑💻(株式会社AI Orchestra代表)の答えです。
11月4日(水)に公開したYouTube動画で、この考え方を「みやっち🧑💻式ループ設計 8つの原則」として話しました。ここでは、開ループと閉ループの使い分けから、外ループを作るときに決める3つのこと、4つの組み合わせまでを順に整理します。
ループ設計とは: 人間がAIに毎回指示を出すのではなく、AIが自律的に動く仕組みをどう作るかを決めることです。結果を評価して次の行動に戻すかどうか(開ループ・閉ループ)と、AIの中で回る繰り返しか、AIの外側から起動する仕組みか(内ループ・外ループ)の2つの軸で考えます。

ループ設計 8つの原則の全体像
Claude CodeやCodexなどのAIエージェントがどう動いているかは、エンジニアリングの領域で、とっつきにくいところがあります。エンジニアでない方にも入ってくるように、みやっち🧑💻がまとめたのが次の8つの原則です。
- 開ループと閉ループを使い分ける
- 閉ループが最適とは限らない
- 内ループと外ループを使い分ける
- 定期実行で外ループを回す
- イベント監視で外ループを回す
- 外ループは必須ではない
- 外ループは起動・停止・引き継ぎ
- 4つのループを組み合わせる
8つに共通する考え方は1つです。人間がAIに毎回指示を出すのではなく、AIが自律的に動く仕組みをどう設計するかを考えること。そのうえで、タスクごとにどのループを作るかを決めます。
開ループと閉ループの違いは、フィードバックの有無
開ループと閉ループを分けるのは、フィードバックがあるかどうかです。開ループは、AIの実行結果をAIの次の行動に反映しません。閉ループは、実行結果を評価し、その評価をAIの次の行動に反映します。
AIにブログ記事を書かせる例で比べます。開ループでは、人間が「ブログ記事を書いて」と指示し、AIが記事を書いたところで作業は終わりです。品質をAIが確かめて直す工程はなく、記事の出来がよくなかったとしても、その結果が次の記事づくりに自動で反映されることはありません。次の記事も、人間がまた指示を出すところから始まります。

閉ループでは、記事を書くAIのほかに、成果物を評価する仕組みを用意します。記事を書いたあと、評価担当のAIが、事実関係に誤りがないか、論理構成に矛盾がないか、読者にとって分かりやすい内容かを確認します。あらかじめ決めた評価基準を満たしていなければ、そのフィードバックを記事を書くAIに渡して直させます。

みやっち🧑💻の会社でも、X(旧Twitter)の投稿の下書きを別のAIが6つの観点で採点し、平均8.5点に届かなければ理由をつけて書き直させる閉ループを回しています。Claude Codeのスキル(手順書)として組んだものです。このように「作成→評価→修正」を繰り返し、一定の品質基準を満たした段階で完成とするのが閉ループの考え方です。
閉ループが最適とは限らない
評価基準さえ決められれば、閉ループの方が優れているように見えます。確認すべきポイントをAIに検証させ、問題があれば自動で直させられるので、品質を上げるうえでは確かに有効です。それでも、すべてのタスクで閉ループが最適とは限りません。
まず、評価基準を作りにくいタスクがあります。新商品のキャッチコピーのように、市場に出してみないと良し悪しが分からないものは、正解を決めにくい。閉ループを作るより、まず開ループでどんどん市場に出していく方が向いています。
次に、評価できても、具体的な直し方まで伝えられるかは別の問題です。評価担当のAIが「説得力が足りない」と判定しても、何が原因で、どう直せばよいかを伝えられなければ、作成担当のAIは何度直しても同じ問題を繰り返すことがあります。いつまでも基準を満たせず、無限ループになってしまう場合もあります。さらに、評価と修正を繰り返すほど、AIの実行時間と利用コストも増えていきます。
そこで、閉ループにするかどうかは次の3つで判断します。

- 評価基準を設定できるか
- 有効なフィードバックができるか
- 改善で得られる効果とコストが合うか
最初から閉ループを作らず、まず開ループで作って市場に出し、PVやUU、コンバージョンレートなどのデータがたまってから、その結果を次に反映する閉ループを作ればいい場面もあります。開ループと閉ループは、どちらが優れているかではなく、タスクの性質やビジネスの状況に合わせて使い分けるものです。

内ループと外ループの違いは、AIの中で回るか外から起動するか
内ループと外ループの違いは、AI自身が仕事を進める仕組みなのか、外側からAIを動かす仕組みなのか、です。
内ループは、AIが起動してから終わるまでの間に、AIの中で回る繰り返しです。「ブログ記事を書いて」と指示すると、AIは指示を読む→下書きを書く→足りない情報を調べる→書き直す、を自分の中で何周もして、記事が完成したところで止まります。
外ループは、AIの外側に用意しておく仕組みです。たとえば「毎週月曜日の8時になったら新しい記事を書く」という仕組みを外に置き、決まったタイミングでAIを起動して、ブログ執筆を実行させます。

普段Claude CodeやCodexを使っている方は、自分でAIに指示を出し、AIが成果物を作る使い方が多いと思います。ただ、AIを起動するのは人間でなくても構いません。外側にAIを起動する仕組みを用意すれば、人間が毎回指示を出さなくても、AIがタスクを実行します。外ループを起動する代表的な仕組みが、次の「定期実行」と「イベント監視」の2つです。
定期実行で外ループを回す
定期実行は、決めたスケジュールに従ってAIを自動で起動する仕組みです。「毎週月曜日の8時にブログ記事を書く」と設定しておけば、人間が指示を出さなくても、AIが起動して記事を書きます。
Claude Codeならルーティン、Codexならスケジュール(Automations)の機能で設定できます。
みやっち🧑💻の会社では、毎週日曜の朝8時に、AIジャンルのYouTubeチャンネルの週次レポートを作るルーティンを回しています。朝起きたら、もうレポートが上がっている状態です。このように、時間をきっかけにAIを起動するのが定期実行です。
イベント監視で外ループを回す
イベント監視は、決まった時間ではなく、外部のサービスで何かが起きたことを検知して、それをきっかけにAIを起動する仕組みです。実現方法の1つがWebhookです。Webhookは、外部サービスで特定のイベントが起きたときに、その情報を別のシステムへ自動で通知する仕組みです。
みやっち🧑💻の会社では、自社で開発しているSaaS「AIチャットつくーる」に、エラー監視ツールのSentryを入れています。サービスでエラーが起きるとSentryが検知し、その通知をWebhookで受け取って、エラーの内容や発生状況をCodexに渡します。Codexは原因を調べ、直す必要があるかどうかの判定まで出します。

毎回「このエラーを修正して」と指示を出さなくても、エラーをきっかけにCodexが起動して、調査と判定まで進みます。このように、出来事の発生を検知してAIを起動するのがイベント監視です。
外ループは必須ではない
すべてのタスクに外ループが要るわけではありません。たとえば営業資料は、商談に合わせてその都度作るものです。必要なときに人がAIに指示を出せば十分で、定期実行やイベント監視の仕組みを作る必要はありません。
外ループが効くのは、同じような仕事が繰り返し発生するときです。毎週の営業レポート、毎日のニュース収集、システムのエラー監視などがそうです。

外ループがなければ、毎週月曜の朝に人がClaude CodeやCodexを開いて「今週の営業データを分析して、レポートを作って」と指示を出すことになります。外ループを作っておけば、月曜日になるとAIが起動し、最新の営業データを取ってレポートを作ります。人が指示を出す作業そのものを自動化できるわけです。
外ループを作るときは「起動・停止・引き継ぎ」を決める
外ループを設計するコツは3つあります。
1. 起動タイミング
毎週月曜日に記事を書くなら、定期実行を設定すれば済みます。注意が要るのは、外部サービスからエラー通知が届くたびにAIを起動する仕組みです。同じエラーが短い時間に大量に出ると、そのたびにAIが起動してしまうことがあります。同じエラーはまとめて処理する、一定時間内の起動回数に上限を設ける、といった工夫が要ります。
2. 停止条件
AIにエラーの修正を任せると、何度直しても解決できないことがあります。そのままAIを動かし続けると、実行時間やAPIの利用コストが増えるだけでなく、意図しない変更が加わるリスクもあります。そこで、次のような停止条件を決めておきます。
- 3回試しても解決できなければ停止する
- 一定の費用を超えたら停止する
- 重要な変更には人間の承認を必要とする
3. 引き継ぎ先
たとえばAIに大量の資料を作らせていて、途中で実行が終わったとします。どこまで終わったのか、何が残っているのか、どんな問題が起きたのかを記録していなければ、次にAIを起動したとき、また最初からやり直してしまうかもしれません。作業の進捗・未完了のタスク・発生した問題をファイルに保存し、次の実行で読み込ませる仕組みを用意すれば、次のAIが前回の続きから進められます。

まとめると、外ループでは「いつAIを動かすのか」「いつAIを止めるのか」「次の実行に何を引き継ぐのか」の3つを決めます。AIを自動で起動するだけでなく、ここまで設計しておくと、人間が常に見張っていなくても、AIが仕事を続けられるようになります。
4つのループを組み合わせる
開ループ・閉ループと内ループ・外ループは、組み合わせて使えます。内ループも外ループも、それぞれ開ループにも閉ループにもできるからです。毎週月曜日にブログ記事を自動で書く場合で並べると、4通りになります。
- 内ループも外ループも開ループ: 毎週月曜日に記事を書くだけ。品質の評価や修正はせず、次の週も同じルールで書く
- 内ループが閉ループ、外ループが開ループ: 記事を書いたあと、AIが品質を評価し、基準を満たすまで直す。ただし公開後のSEOの成果などは、翌週の記事づくりに反映しない
- 内ループが開ループ、外ループが閉ループ: 品質の評価や修正はしない。一方で、公開後の検索順位やアクセス数を分析し、その結果を翌週の記事のテーマ選定や執筆方針に反映する
- 内ループも外ループも閉ループ: 品質を評価して直したうえで、公開後のSEOの成果も分析し、翌週の記事づくりに反映する

大事なのは、すべてを閉ループにすることではありません。タスクの性質や目的に合わせてループを組めるようになると、AIによる自動化をかなり柔軟に設計できるようになります。
「作業して」で動くAIは、ループが設計されている
動画の冒頭で、地元の友達に「AIなんて、指示出したら勝手に作業してるでしょ」と言われた話をしました。これは半分正しいと思っています。ループ設計ができていれば、本当に「作業して」の一言で動きます。ただ、起動条件も判断基準も与えていないAIに「作業して」と言っても、大した仕事はできません。
みやっち🧑💻の8つの原則も、最初からここまで整っていたわけではありません。閉ループを欲張った結果、評価と修正が止まらなくなって無限ループが走り、無駄にトークンを消費した夜もあります。
AIの最新ニュースを追うのをやめて、ループ設計のような「なぜこうするのか」を深く追求するようになってから、AIに任せられる仕事が一気に増えました。毎回AIに指示を出している仕事があれば、どのループで回せるかを考えてみてください。
よくある質問
開ループと閉ループは、どちらを選べばいいですか
評価基準を設定できるか、有効なフィードバックができるか、改善の効果とコストが合うか、の3つがそろうなら閉ループにします。キャッチコピーのように市場に出さないと良し悪しが分からないものは、まず開ループで出し、データがたまってから結果を次に反映する閉ループを作ります。
外ループはどうやって作りますか
決まった時間に起動するなら定期実行で、Claude Codeならルーティン、Codexならスケジュール(Automations)の機能で設定できます。外部サービスの出来事をきっかけに起動するならイベント監視で、Webhookで通知を受け取ってAIを起動するのが実現方法の1つです。
どんな仕事なら外ループを作る価値がありますか
毎週の営業レポート、毎日のニュース収集、システムのエラー監視のように、同じ仕事が繰り返し発生するものです。営業資料のようにその都度作るものは、必要なときに人がAIに指示すれば十分です。
8つの原則の図と話の流れは、記事の先頭の動画で15分ほどで話しています。この原則で業務に合うループを判断して実装まで進めるキットは、動画の概要欄で案内しています。




