Dr.健康経営の社労士向けセミナーに登壇|AIで公文書整理・就業規則・給与チェックを実演

登壇者の宮地俊充と、公文書・就業規則・給与チェックを示したセミナー登壇レポート画像

2026年10月27日、株式会社Dr.健康経営が主催・運営する社労士向けオンラインセミナー「社労士業務をAIに任せる」に、株式会社AI Orchestra代表取締役社長の宮地俊充(みやっち🧑‍💻)が登壇しました。

テーマは、公文書の整理・就業規則の見直し・給与計算のチェック。架空のテストデータを使い、Claude Code(クロードコード)に作業を任せる様子をその場で実演しました。この記事では、実際に進めた3つのデモと、事務所の仕事に取り入れるうえでお伝えした考え方を紹介します。

まず大きなゴールを伝え、細かい指示は後から足すと説明した投影スライド
当日の投影資料より。3つの実演に共通するのは、結果を確かめながら指示を調整する進め方です。

社労士の日常業務を題材にしたオンラインセミナー

今回のセミナーは、株式会社Dr.健康経営と株式会社AI Orchestraによる共催で、Zoomを使って開催しました。AIの機能を紹介するだけでなく、社労士事務所で日々扱うファイルを使って、仕事の進み方を具体的に見ていただく内容です。

項目内容
開催日2026年10月27日
開催形式オンライン(Zoom)
テーマ社労士業務をAIに任せる〜公文書整理・就業規則見直し・給与チェックを実演〜
主催・運営株式会社Dr.健康経営
講師株式会社AI Orchestra 代表取締役社長 宮地俊充

主催側のセミナー告知ページでも、社労士事務所で発生しやすい定型業務をAIにどこまで任せられるか、というテーマが紹介されています。

実演に使ったのは、架空の会社・従業員のデータです。実際の顧問先の情報を使わず、仕事の流れを模擬体験できるようにしました。

実演① 公文書を読み取り、顧問先ごとに整理する

最初は、ダウンロードした公文書の整理です。デモ用のフォルダには、e-Govから取得する公文書を模したZIPファイルと、架空の顧問先3社の一覧を用意しました。ZIPの中にはPDFやXMLがあり、ファイル名だけでは誰の何の書類か分かりにくい状態です。

Claude Codeに作業フォルダを指定し、どの顧問先の・誰の・何の書類かが分かる名前に変更して、顧問先ごとに振り分けるよう依頼しました。すると、顧問先3社のフォルダが作られ、それぞれの書類が名前を整理したうえで振り分けられました。

公文書の内容を確認してファイル名を変更し、顧問先ごとのフォルダに振り分ける指示例
当日の投影資料より。まず伝えるのは、どのような状態まで整理してほしいかというゴールです。

書類を1件ずつ開き、名前を付け直し、保存先を選ぶ。その繰り返しをまとめて任せる様子をお見せしました。整理後のファイル名や保存先を確認することも含めて、一連の仕事として捉えるのがポイントです。

実演② 就業規則の改定案と新旧対照表を作る

2つ目は、現行の就業規則と改定方針のメモを読み込ませるデモです。フレックスタイムの導入や時間単位の年次有給休暇など、架空の会社で検討している変更を題材にしました。

依頼したのは、改定案のドラフト作成と、条番号・参照先の整合確認です。労務上の判断が必要な箇所や、まだ条件が決まっていない箇所は、確認事項として残すようにしました。生成された案では、新設する条文や、それに伴って変わる条番号を確認できました。

現行の就業規則と改定方針を読み、改定案と条番号の整合確認を依頼する指示例
当日の投影資料より。AIが作るのはたたき台です。実務で採用する内容は、専門家が最終確認します。

続けて新旧対照表を頼んだときには、最初に出てきた形が見たい表示と違いました。そこで、画面上で見比べられる表として出してほしいと追加で伝え、現行案と改定案を並べて確認できる形に整えました。

最初の出力だけで完成とせず、実際に見て「ここをこうしてほしい」と伝える。そのやり取りも含めて実演しました。

実演③ 給与データの食い違いを、個別対応メモも含めて確認する

3つ目は、給与計算のダブルチェックです。用意したのは、元データと給与システムの出力を模した2つのCSV、そして通勤経路の変更などを記した個別対応メモです。

2つのCSVを突き合わせて差異を洗い出し、メモも読んだうえで、どちらの値が正しそうかの見当を付け、人が確認すべき箇所をまとめるよう依頼しました。実演では、通勤経路の変更に伴う手当の差異について、元データ側が正しそうだという結果が出ました。

給与の元データとシステム出力を突合し、個別対応メモも読んで人が確認すべき箇所をまとめる指示例
当日の投影資料より。給与を確定する仕事と、食い違いを見つける仕事を分けて考えます。

さらに、毎月のチェックに再利用できるよう、手順をSkills(スキル)にまとめるところまで進めました。ここでも一度は意図と違う形になったため、「スキルにしてほしい」と言い直し、新しいセッションから呼び出せることを画面で確認しました。

その場の作業を終えるだけでなく、次に使う手順を残す。 この考え方が、繰り返し発生する業務にAIを取り入れる際の大切なポイントです。

実務では、AIに任せる範囲を事務所で決める

3つのデモに共通するのは、まず大きなゴールを伝え、出てきた結果を確かめながら必要な指示を足すことです。就業規則の表や給与チェックのスキル化のように、途中で言い直して仕上げていく様子もお見せしました。

一方で、実務には個人情報・顧客データの扱いという論点があります。当日は、外部への送信・保存・AIの学習への利用・意図しない公開を分けて考えること、顧問先との契約や利用サービスの条件を確認し、事務所のルールを決めることをお伝えしました。

「学習に使われない」という条件だけで、あらゆるデータを渡してよいと判断できるわけではありません。まずは今回のようなテストデータで流れを確かめ、実データを使う前に、扱う情報・送信先・任せる工程を個別に確認することが前提です。

定型業務の先にある、顧問先への支援につなげる

当日は、株式会社Dr.健康経営の田中さんから、産業医・保健師の紹介や、企業の健康課題を支援する取り組みについてもご紹介いただきました。定型業務をAIに任せることと、社労士が顧問先の課題に向き合うことを、あわせて考える機会になりました。

Dr.健康経営は、産業医・保健師の紹介を中心に、メンタルヘルスや休職・復職対応など、企業の産業保健体制づくりを支援しています。サービスの詳細はDr.健康経営公式サイトをご覧ください。

AIを使って作業を短くするだけでなく、事務所の判断基準や手順を残し、毎回ゼロから考えなくてよい仕組みを育てる。その入口として、身近な3業務で何ができるかをお伝えしたセミナーでした。

株式会社AI Orchestraでは、法人向けのClaude Code研修・導入伴走支援と、個人でClaude Code・Codexを学ぶAIの学校「AI Crew」を通じて、実務に根ざしたAI活用を支援しています。

ご参加くださった皆さま、企画・運営を担当してくださった株式会社Dr.健康経営の皆さま、ありがとうございました。

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「AI Crew」は株式会社AI Orchestraの登録商標(登録第6942947号)です。